クルーズ乗組員治療 受け入れ表明 重工記念長崎病院 移転前の病棟を活用

クルーズ船の感染者を受け入れる準備が進む南病棟=長崎市飽の浦町、重工記念長崎病院

 三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊中のクルーズ船内で発生した新型コロナウイルス集団感染で、重工記念長崎病院(長崎市飽の浦町)は27日、乗組員から入院治療が必要な中等症患者が出た場合、受け入れる意向を明らかにした。5月2日の新築移転に伴い使わなくなる病棟を活用する。
 同病院によると、市が3月、市民の治療に使えないかと打診。クルーズ船集団感染を受け、県と長崎大が乗組員への対応を検討してほしいと要請した。現施設を所有する三菱重工も了承した。
 一時的に酸素吸入が必要だが状態が悪化していない感染者を南病棟で受け入れる方向で準備中。酸素配管や水、電気、ガスの設備がそろい、本館とは隔離できる。受け入れ患者数について、院内感染管理者の松原祐一医師は「マンパワー次第。当院スタッフだけでは対応できず、応援が必要」とした。
 同市丸尾町の新棟ではクルーズ船の感染者を受け入れない。同病院は2016年に三菱重工から離れて医療法人化し、長崎造船所病院(通称・三菱長崎病院)から改称した。矢部嘉浩病院長は「三菱をルーツとする病院として、できる限り協力したい」と話した。

 


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