【新型コロナ】日産11年ぶり赤字の見通し コロナ影響、850億円超

日産自動車

 日産自動車(横浜市西区)は28日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年3月期の連結最終損益が1500億~1600億円悪化し、850億~950億円の最終赤字になる見通しだと発表した。日産が赤字転落するのはリーマン・ショックの影響を受けた09年3月期以来11年ぶり。経営計画の見直しに伴う引当金を追加で計上する方針で、通期業績はさらに下振れする可能性がある。

 営業利益も350億~450億円の赤字となる見通し。今年2月13日に20年3月期の業績見通しを下方修正し、営業利益850億円、純利益650億円と見込んでいたが、これをさらに引き下げた。

 今年2~3月にかけて新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、見込んでいた年間世界販売台数505万台が、2.4%(約12万台)程度減少する見通し。営業利益の悪化には、新車や部品の販売減による影響として約900億円、販売金融業の貸倒引当金として追加計上した約300億円が含まれているという。

 日産は中期経営計画の見直しを進めている段階で、再構築(リストラ)にかかる経費は今回の下方修正には計上していない。このため、5月28日に発表する予定の20年3月期決算はさらに赤字幅が拡大する可能性がある。

© 株式会社神奈川新聞社