7月初めの開幕目指すF1、チームのファクトリー閉鎖期間を6月までの9週間に延長

 F1チームとパワーユニットマニュファクチャラーのファクトリー閉鎖期間がさらに延長されることが決まった。チームは63日間、パワーユニットマニュファクチャラーは49日のシャットダウンが義務付けられる。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、F1の序盤10戦が延期あるいは中止となっている。大幅なスケジュール変更を強いられるF1は、例年サマーブレイクが設けられる8月にもグランプリを開催することを可能にすべく、夏のファクトリーシャットダウン期間を春に早め、最初は期間を14日間から21日間に延長、後に35日間にさらに延長することを決めていた。この期間は、設計、研究開発、製造、組み立てといった部門の作業が停止される。

 FIAは4月28日、世界モータースポーツ評議会がF1チームおよびパワーユニットマニュファクチャラーのファクトリー閉鎖期間を再度延長、連続63日間とすることを承認したと発表した。

 すべてのチームは、3月、4月、5月、6月のなかで連続した63日間をシャットダウン期間としなければならない。閉鎖期間開始から50日が経過した後は、チームが申請し、FIAからの事前の書面による承認が得られた場合、最大10人のスタッフをリモートワークによるリードタイムプロジェクトに従事させることができる。

 FIAが今回発表したレギュレーションには、チームはスタッフの名前、職種、作業内容等を事前にFIAに詳しく報告しなければならず、空力関係の作業を行うことは許可されないと記されている。

フェラーリのファクトリー

 一方、パワーユニットマニュファクチャラーについては、これまで35日間に定められていた閉鎖期間が、3月から6月のなかの連続49日間に延長された。36日間が過ぎた後には、チーム同様、FIAからの許可を得たうえで、最大10人のスタッフによるリモート作業を行うことができる。

 チームはそれぞれがタイミングを選んでシャットダウンを開始しているため、異なるスケジュールで動くことになる。また、経済的苦境を乗り切るため、スタッフの一時帰休を行っているチームもある。

 F1のCEOチェイス・キャリーは、27日、現時点での2020年シーズンのプランを明かし、7月5日のオーストリアで開幕し、12月までに15戦から18戦を開催することを目指すとコメントした。

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