「ヒアリ」駆除にワサビが一役 市販の防臭剤で効果 人と自然の博物館発見

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強い毒を持つ南米原産の特定外来生物「ヒアリ」(橋本佳明主任研究員提供)

 南米原産の強毒アリ「ヒアリ」の駆除に、兵庫県立人と自然の博物館(兵庫県三田市)や国立環境研究所(茨城県)の研究グループが、ワサビの辛味成分で作った市販の防臭剤が効くことを発見した。人や環境に無害で価格を大幅に抑えられるという。論文は24日、科学誌に掲載された。

 ヒアリは2017年5月、神戸港で陸揚げされたコンテナから国内で初めて見つかった。環境省によると、これまで15都道府県で48件の確認事例がある。

 同館の橋本佳明主任研究員(63)によると、ヒアリ駆除には薬品の「臭化メチル」や「リン化水素」を気体にしてコンテナ、施設内に浸透させる方法が一般的だが、高額な上に健康被害の恐れもある。

 橋本主任研究員らは昨年1月、ワサビの辛み成分「アリルイソチオシアネート」がヒアリ駆除に有効と突き止めた。大阪府の企業が同成分で防臭・防かび剤を商品化していたため、共同で効果を調べた。

 商品は、成分を直径数ミリのプラスチック粒子に含ませたもの。実験では約50グラムを紙袋に詰め、ヒアリ10匹入りの段ボール箱と密閉すると、24時間で死滅し、効果は2週間持続した。

 橋本主任研究員は「ヒアリ以外の害虫にも駆除が期待できる。簡単で安全なので活用してほしい」と呼び掛けている。(門田晋一)