対馬高 韓国語オンライン授業 コロナ待機の寮生らに

スマートフォンを使い自室で遠隔授業を受ける西川さん=対馬市厳原町、対馬高桜ケ丘寮

 全国の公立高で唯一、韓国語を専門的に学べる「国際文化交流コース・科」があり、全国から生徒が集まる対馬市の県立対馬高(田川耕太郎校長、421人)。新型コロナウイルス感染拡大で新学年の開始直後の臨時休校となったが、同コース・科生を対象にオンライン授業で対応している。
 同校は2003年度に韓国語を学ぶ同コースを創設。19年度、科に改組した。現在の在籍者計75人のうち62人が島外生で、その出身地は東京や大阪を含め13都府県にわたる。
 同コース・科の島外生は新型コロナ感染予防のため4月上旬から島内の寮などに待機、普通科や商業科と比べて約2週間遅い20日に始業式を迎えた。21日に授業を始めたが、22日から休校に入ったため学校での授業は4時間だけだった。
 そこで、同校は23日から同コース・科生を対象にビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、1日3コマの授業をライブ配信している。1コマは、ズームのグループトークが無料利用できる40分間としている。
 24日は新入生31人(うち島外生30人)が初めて韓国語の遠隔授業を受講。同校付属寮「桜ケ丘寮」では、入寮している18人が自室でスマートフォンの画面越しに李旻英(イミニョン)講師から指導を受けた。このうち横浜市出身の西川栞名(かんな)さん(15)は、李講師に促されて韓国語の基本母音を発表。発音テストにも解答していた。
 授業後、西川さんは「分からないことがあればチャットで質問できる。韓国語を学びたいと思って入学したので、勉強できてよかった」とほほ笑んだ。田川校長は「遠隔授業を通じ、生徒の学習機会を保障していきたい」としている。

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