自動車レースファンであればその名前こそ知っているものの、実際に現地を訪れる日本人はドライバーや関係者だけというサーキットは少なくない。今回は筆者が取材で足を運んだ中から、「一度は行ってみたい魅力的な“B級”サーキット10選」をお届けする。前編に引き続き、後編も5つのサーキットを見てみよう。
■モーターランド・アラゴン(スペイン)
ヘルマン・ティルケの設計で2009年に開業。MotoGPの舞台としてはよく知られるものの、四輪レースではかつてワールド・シリーズ・バイ・ルノーが開催されたくらいで大きなイベントを開催した実績はない。
バルセロナから西へ約250kmの距離にあり、サーキットの周囲は写真で分かるとおり茶色い光景が広がって樹木は見当たらない。「もし、ここで置き去りにされたら…」と心配になるほどサーキットの周りは殺風景である。
また、もっとも近い町アルカニスのホテルは、テストのような小さなイベントでもレース関係者で埋まってしまう。
■サーキット・ド・ポー・ビル(フランス)
スペインとの国境ピレネー山脈を望むフランス南西部のポーでは、“ポー・グランプリ”の名前を冠した歴史的な公道レースが1933年から開催されて、以前はグランプリカーも走っていた。近年はF3カーやツーリングカーによるレースが、3km弱の短くて狭いコースで実施されている。
イベント前には街中でデモランが実施され、入場券が無くともレースを観戦できる魅力もある。
ポー・ピレネー空港からは便数こそ少ないもののバスでアクセスでき、街中に泊まればサーキットまでは徒歩で行ける。歴史的建造物も多く、レース以外のお楽しみもある。