クルーズ船乗組員行動歴 「信頼できない」「一定安心」市民から不満と評価

 長崎市と三菱重工業がクルーズ船コスタ・アトランチカの乗組員の行動歴を明らかにした29日、市民からは運航会社が出席していないことへの不満や「発表内容は信頼できない」との声が上がる一方、「一定の安心感は得られた」と評価する意見も聞かれた。
 「(運航会社の)コスタクルーズは会見に出ず、文書だけ。責任を果たしていない」。長崎大4年の青木彩矢香さん(22)はそう不満を明かし「悪い情報でも知らないことが一番怖い。被害を受けるのは市民。明らかにしていない情報があるなら、今すぐ出してほしい」と注文を付けた。
 長崎市の30代主婦は「結局、感染源や感染経路が分からない以上、安心して市街地にも出られない。信頼できない」と不信感を募らせる。西彼長与町の40代主婦は「三菱には、県民に不安を与え、医療現場にも負担を掛けたことについて、もっと重く受けとめてほしい」と話した。
 1人目の感染確認から既に9日が経過。長崎市為石町の会社員、江頭広平さん(29)は「もっと早くできたのではないか」と対応の遅さに苦言を呈した。「ただ、乗下船の人数や行動歴を説明してくれた。周辺に住む住民にとっては一定、安心感を得られた」と評価した。長崎市油木町の50代女性会社員は「誰かを責めるのではなく、三菱や行政、コスタクルーズは連携して、責任を持って、長崎のために封じ込めに全力を尽くしてほしい」と対応を急ぐよう求めた。


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