キャツバーグ、BMW勢のバトルを制し初優勝/IMSA iRacing Proシリーズ第3戦

 4月30日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権などのスポーツカーシリーズを運営するIMSA国際モータースポーツ協会が実施しているバーチャルレース『IMSA iRacing Proシリーズ』の第3戦ミド・オハイオが行われ、ニッキー・キャツバーグ(BMW M8 GTE)が初優勝を飾った。

 IMSA iRacing Proシリーズは、IMSAが運営する複数の北米スポーツカーシリーズに参戦しているリアルドライバーを対象としたバーチャルレースシリーズだ。その名のとおりレーシングシミュレーターの『iRacing』をプラットフォームに採用している。

 前戦ラグナ・セカで本格的なスタートが切られた同シリーズは、隔週木曜日に実施され今回のレースが3戦目。全6戦で争われるシーズン前半戦の折り返しを迎えた。
 
 そんなミド・オハイオ戦のポールポジションを奪ったのは、ここまで2連勝中のブルーノ・シュペングラー(BMW M8 GTE)。同じくBMWを駆るロビー・フォリーが2番手につけ、予選3番手にはフォードGTをドライブするロドリゴ・プラカーが入った。

 決勝レースは90分間、1ピットのセミ耐久フォーマット。そのスタートではコントロールライン直前で、4番手につけるケルトン・クック(フォードGT)がスピンを喫するも、大きな混乱はなく各車が1コーナーをクリアしていく。
 
 レース序盤、クックに代わって4番手となったキャツバーグを含めた上位4台がワンパックとなってトップ争いを展開する。スタートから20分過ぎ、そのなかでフォリーがプラカーに追突し2台が後退するアクシデントが発生。この間にキャツバーグが2番手に浮上した。

 首位を走るシュペングラーと2番手キャツバーグはレース中盤、同時にピットイン。給油量で差が出るピットストップタイムはキャツバーグがライバルを上回り、逆転に成功する。

“コンペティション・コーション”を挟んだレース後半に入ると、リセット間際にピットに飛び込んだシェーン・ヴァン・ギスバーゲン(BMW M8 GTE)がトップに浮上。首位でリスタートを決め、初優勝に向けてリードを広げていく。

後続車に追突されハーフスピンを喫したロビー・フォリー(BMW M8 GTE)
レース中盤、BMW勢4台による首位争いが展開された。

■2戦続けてトップにアクシデント発生!

 しかし、そのリードはまたたく間になくなり、ヴァン・ギスバーテンのBMWを先頭にキャツバーグ、シュペングラー、さらにアクシデントから順位を挽回したプラカーが加わってひと塊に。
 
 この争いは約10分ほど続いたが、スタートから1時間を過ぎたタイミングでキャツバーグのフロントがわずかに触れたか、首位ヴァン・ギスバーテンがスピン。直後、2番手に順位を上げたシュペングラーも単独スピンを喫しキャツバーグのライバルが不在に。これで楽になったオランダ人ドライバーはそのままトップチェッカーを受け、シリーズ初優勝を果たした。

 2位はターナー・モータースポーツカラーのBMWを駆ったプラカー、3位にはコナー・デ・フィリッピ(BMW M8 GTE)が入った。さらに4位がフィリップ・エング(BMW M8 GTE)となったことでBMW勢はワン・ツー・スリー・フォー・フィニッシュを達成している。
 
 5位はハリー・ティンクネル(フォードGT)で、フォード勢の最上位に。ポールシッターのシュペングラーは6位でチェッカーを受けた。マイヤー・シャンク・レーシングの道見真也(フォードGT)は予選20番手からポジションを上げ、8位でフィニッシュしている。

 IMSA iRacing Proシリーズの次戦第4戦の舞台はロード・アメリカ。開催日時は5月14日18時(日本時間15日7時)だ。

2番手走っていたブルーノ・シュペングラーがバランスを崩し1コーナーでスピン
IMSA iRacing Proシリーズ第3戦ミド・オハイオ 決勝結果
IMSA iRacing Proシリーズ第3戦ミド・オハイオ
2位でフィニッシュしたロビー・フォリーのBMW M8 GTE

© 株式会社三栄