給付金支給へ作業急ぐ自治体

「迅速」「配慮」両立悩まし

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 国民に一律10万円を支給する「特別定額給付金」などを盛り込んだ2020年度補正予算が30日、成立した。いち早く給付金を届けるため、長井市は同日に申請書類を発送し、5月7日の支給開始を予定。山形市では希望者が早く受け取れる特例を設定した。一方、給付に当たっては高齢者らへの支援も必要になってくる。

 想定される支給開始日は5月中旬以降が目立つ。受付開始日は、郵送のケースで、発送日を受付開始とする場合や、発送から到着までの日数を考慮して設定する自治体もある。

 県内で最も早い支給となる見込みの長井市は大型連休中も職員が出勤し、返送された申請書の確認や給付手続き、問い合わせに応じる。内谷重治市長は「郵便局や金融機関から協力をいただき、できる限り早く市民に届けられるよう努める」とコメントした。

 山形市は5月14日から順次申請書を発送、同15日から申請書の返送とオンライン申請の受け付けを始め、下旬に振り込み開始予定だが、一刻も早い受け取りを希望する市民向けに特例を設ける。特例の振り込みは12日に始める。希望者は申請書が届くのを待たず、7日以降、市のホームページから申請書をダウンロードし、必要事項を記入した上で市役所に郵送する。切手などは自己負担で申請期間は8~15日。

 一方で時間的な余裕がない中での作業になり、自治体からは困惑の声も聞かれる。

 東根市は、世帯主と別の住所で暮らすドメスティックバイオレンス(DV)の被害者や高齢者施設の入所者といった配慮が必要なケースを挙げ、「慎重に作業を進めるべきだが、同時に迅速な対応も求められている」とし、作業の難しさを強調した。寒河江市では文書の発送準備について10人強の職員が大型連休中も作業に当たるという。

 「運転免許を持たないなど、外出が難しい高齢者が申請に必要な本人確認書類のコピーをそろえられるのか心配」(大石田町)との声も。大江町も「山間部の高齢者らが身分証明書の写しをどこでコピーできるのかなどの不安がある」とし、「郵送申請が原則だが、来庁による手続きや、町職員が自宅を訪ね申請を手伝う可能性も想定する必要がありそうだ」と話した。

 一方、村山市は「新型コロナウイルスの感染予防のため、面談での申請受け付けは困難」とし、独り暮らし高齢者の対応を課題に挙げた。西川町では「高齢者による窓口対応の増加が予想され、感染対策の徹底が必要だ」とする。

 川西町は作業上の懸念を指摘する。給付金を振り込む口座番号と名義人が合わない場合は、世帯主に問い合わせることになる。振り込め詐欺が横行している中にあり、「役場から『給付金に関し口座番号を確認したい』との電話問い合わせはできず、文書でのやりとりになる」と話した。