インターネット上のライブハウス 「ジャッジメントKOBE」ローンチ

インターネット上の架空のライブハウス「ジャッジメントKOBE」のプラットフォームイメージ(写真:ジャッジメントKOBE)

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために休業を余儀なくされている神戸市内の4つのライブハウスが、インターネット上の架空のライブハウス「ジャッジメントKOBE」をスタートさせた。

プロジェクトに参加するライブハウスはCHICKEN GEORGE/VARIT./太陽と虎/ART HOUSEだ。普段はライバルともいえる4つが垣根を越え、アーティストやファン、そして神戸市民がオンラインでライブハウスを体感できる仕組みを作る。「ジャッジメントKOBE」という小屋が神戸の住所に存在するわけではない。アーティストは自宅やスタジオでグリーンバックを背景に弾き語りや演奏を自ら撮影し、その動画データに合わせてライブハウスの照明スタッフがリアルタイムで演出を加える。単なる動画配信ではなく、まさにライブハウスの醍醐味がインターネット上に再現される、全く新しいエンターテインメントだ。また、通常のライブ配信にとどまらず、コアなファン向けの特典映像のアーカイブなど、アイデアはまだまだあるという。音楽発信の拠点であるライブハウスが、在宅で楽しめる新しい音楽文化を創るとともに、音楽・映像関連の人材育成や雇用の創出にも一役買ってほしいと期待する。

できるだけ手軽にスマートフォンで撮影できるよう、グリーンバックや三脚をアーティストに郵送するなどガイドラインを作成中(写真:ジャッジメントKOBE)

今回参加する4つのライブハウスと配信技術を提供する映像制作会社 CINEMA-EYEで企画していた無観客ライブ配信サーキットフェス「ライブハウスジャッジメント in KOBE」は政府と兵庫県による営業自粛要請に伴って6月21日(日)に延期となった。新たに立ち上げた「ジャッジメントKOBE」では、今後、それに向けてオンラインでのプレイベントも企画中だ。実験都市神戸の具体的な表現として2017年から開催されているクロスメディアイベント「078KOBE」とも連携し、野外フェスと配信フェスを組み合わせたイベントで音楽の新しい価値を提案することも夢見ている。

神戸のシンガーソングライター・今村モータースが自ら撮った動画に照明を演出。さながらライブハウスに出演中だ。(写真:ジャッジメントKOBE)

新型コロナウイルス感染症でも神戸の音楽文化の火は消えることなく、むしろこの逆境を乗り越えた時には、新たな価値観が生まれていることだろう。

今後の活動や詳しいスケジュールは「ジャッジメントKOBE」特設サイト等の情報をチェックしてほしい。

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