F1ボス、ロス・ブラウンが2020年カレンダー構想を語る「オーストリアでの2連戦でスタートするのが合理的」

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンが、2020年シーズンには一部の開催地で2週にわたりレースを実施することを前向きに検討していると明言した。

 新型コロナウイルス感染拡大により、F1は序盤10戦が延期あるいは中止となっている。4月27日、F1のCEOチェイス・キャリーは、7月3日から5日のオーストリアで開幕し、12月までに合計15戦から18戦を開催することを目指すとコメントした。

 具体的なカレンダーはまだ明らかになっていないが、ブラウンは、現時点での構想について語り、以前から報道されているように、一部のサーキットで2回レースを行うことを検討していると認めた。ひとつの開催地での連戦は、ロジスティクスと安全性の面でメリットがあり、オーストリアはこのプランにおいて理想的な条件を備えていると、ブラウンは言う。

「この件については真剣に検討している。ロジスティクス上の課題のひとつは、全員を検査し、パドックに入りレースの環境に身を置くことが可能かどうかをチェックすることだ」とブラウンはF1のポッドキャストで語った。

「どのレースにしても、一度それをやった後、その環境、その生物圏に全員が残るというやり方は非常に魅力的だと思う」

「環境を十分に制御できる、適切なレースを早い段階で見つけるのは、簡単なことではない」

「オーストリアはそのプランに非常によくフィットする。飛行機をチャーターできる地元の空港があり、大都市から距離があり、適切なインフラも備わっている。モーターホームは設置しないが、ケータリング施設をしっかり整える」

「基本的にすべての人員をその環境のなかに収めることができる。従って、いったんそこに行ったら、次の週にもう1レース開催するというのは魅力的なアイデアだ」

2019年F1オーストリアGPスタート

 シーズンをスタートした後、さまざまな国を出入りするルートを決めることは、非常に複雑な作業であると、ブラウンは認めた。

「ロジスティクスの面で非常に大きな課題だ。単純にF1レースを開催すること自体、非常に大きな挑戦なのに、今のこの状況においてレースを開催するというのは我々にとって初めての経験なのだ」

「ドライバー、エンジニア、技術者など、すべての関係者にとって安全な環境で運営するための要件に取り組み、適切な形でショーを実現する」

「シーズンを進行させることが重要だ。さまざまな理由があるが、そのひとつは、ファンを楽しませたいということだ。スタートが遅れていることを誰もが残念に思っている」
「さらに、数千人の人々の生活という面でも、(レースを開催することは)とても重要だ」

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