「波佐見焼の火 絶やさない」 開祖しのび陶祖祭

波佐見焼の開祖をしのんだ「陶祖祭」=波佐見町

 波佐見焼の開祖とされる朝鮮人陶工、李祐慶の遺徳をしのぶ陶祖祭が1日、長崎県東彼波佐見町井石郷の「李祐慶の碑」前であった。新型コロナウイルス感染拡大で窯業界が影響を受ける中、関係者が「波佐見焼の火を絶やさないように力を合わせる」と誓った。
 波佐見焼は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に参加した大村藩主、大村喜前が連れ帰った李祐慶ら陶工が始めたのが起源とされる。同町村木郷には李祐慶が開窯したとされる国史跡の畑ノ原窯跡がある。
 陶祖祭は波佐見焼振興会(児玉盛介会長)が毎年、「波佐見陶器まつり」の時期に合わせて開催。新型コロナの影響でまつりは延期になったが、陶祖祭は関係者のみで執り行った。
 金屋神社の中山公弘宮司が祝詞を上げ、産業の発展を祈った。児玉会長は「こういう時こそ一致団結し、新しい時代を切り開いていきたい」と述べた。

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