【コロナに負けない!現役CAポジティブチャレンジvol.2】自分と向き合い一歩を踏み出したCA

コロナに負けない!現役CAのポジティブチャレンジリレー

新型コロナウィルスによる外出自粛や渡航制限で、減便・運休が続く航空業界。

 

CA(客室乗務員・キャビンアテンダント)は、フライトがなくお給料が激減、自宅スタンバイ続きでいつどこにフライトになるか分からず気が休まらない、フライトに行けば感染リスクと隣り合わせ、など厳しい状況にあります。

 

そんな中、CAメディアではZOOMで現役CAのオンライン情報交換会を開催。

そこで見えてきたのは、現状を嘆いてばかりいないで、前を見て行動を起こしている強いCAのポジティブな面。

 

コロナをきっかけに自分を見つめ直したり、この状況だからこそできることに取り組む現役CAのポジティブチャレンジをリレー形式でご紹介していきます。

 

第2回目は、コロナをきっかけに自分と向き合い、これまで心に秘めていたこと、やりたくても行動に移せていなかったことに一歩を踏み出したchieさんが登場!

 

 

コロナで気づいた、自分と向き合うことの大切さ

私は日頃主に国際線に乗務をしていて、コロナの影響を受けるまでは、月の半分は海外で過ごす生活を送っていました。

 

日々忙しく様々な国を飛び回り、お客様や多くの同僚に囲まれて過ごす時間が当たり前となっていた私にとって、長い時間を一人で自宅で過ごす事は、人生で始めての出来事です。

そしてその時間の中で、今までめまぐるしく過ぎていく日々を言い訳に、自分と向き合う時間を持っていなかった事に気づきました。

 

改めて客観的に自分を見つめ直してみると、今、この状況下で会社に対しても社会に対しても何も貢献できていない自分をふがいなく思い、今すぐ誰かの役に立つことは難しくても、今後社会に貢献したり、一人でも多くの人を笑顔にできるように今私に出来る事を見つけて力を付けよう!と思い立ったのです。

 

今は、これまで興味はあったけどなかなか行動に移せていなかった、以下の3つのことに取り組んでいます。

 

1. 中国語の勉強

中国語の興味を持ったきっかけは、元々、仕事で中国系のお客様と接する機会が多かったからです。

コロナが収束した後、世界の一人でも多くの人と”生”のコミュニケーションを図るためにも、言語を身につけようと思いました。

そのように思った最も大きな要因は、今回の世界情勢を英語と日本語でしか情報を得る事ができなかった事です。

これから物事を判断するときに多くの側面からの情報を見て理解ができれば、あらゆる情報に惑わされる事が減り、より平等な目を持てるのではないか、という思いもあります。

 

まだまだ中国語初心者の私ですが、外出自粛中の今でもできる勉強方法をご紹介致します。

 

NHKラジオのまいにち中国語

テキストは購入する必要がありますが、携帯のアプリで音声をダウンロード出来るため、気軽に始めることができます。

基本から学びたい方にはオススメです。毎日手軽に15分程で勉強できるのでお仕事の合間の気分転換にもなります。

 

youtube動画の活用

日本人や中国人の方が、とても分かりやすく発音やフレーズを紹介してくれています。

中国の生の文化に触れる事が出来ることも、メリットのひとつ。

 

そのため、会話については主にYouTubeで学んでいます。

 

 

2. キャリア相談のブログを開設

私は仕事で海外に6年間住んだ経験、2度の転職経験がある事からも、将来的にキャリアや仕事に悩む学生や社会人、また、海外で働きたいけど一歩踏み出せないといった人を支援できる仕事がしたいという想いがありました。

 

この機会にゆっくりと時間をかけて自分の人生を振り返ってみたところ、就職や転職など人生の大きなターニングポイントの時には、必ずいつも多くの方々の支えがあった事に改めて気付かされました。

私が就職活動をしたときは就職氷河期でした。とても厳しい状況でしたが、たくさんの方に支えられ夢を叶えることができたので、次は私が少しでも誰かのヒントになることを提供できたらと思い、就職活動を行っている方の相談にのれるような形でブログを始めました。

 

同時に、さらに力強く応援できる力を付けるために、「コーチング」の勉強も始めてみました。

「コーチング」とは、対話を重ねることを通して、相手が目標達成に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセスのことです。

 

コーチングの勉強を始めた事で、私自身のこれからの日常生活でも生かせそうな学びが多くあります。

 

コロナでフライトがどんどんキャンセルになっていくなかで、将来に対する不安も大きく、落ち込んでしまうときもありましたが、ブログを始めたことで、何もできないと思うのではなく、今この状況で将来のためにできる一歩を踏み出そうと前向きな気持ちになることができました。

 

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3. 丁寧な暮らし

なんだ、そんな当たり前のことか…...と思われる方もいるかもしれませんが、長年客室乗務員をしている私には規則正しく生活する事はしたくても出来なかった事であり、すっかり忘れていた生活でした。

 

朝日を浴びて起床し、夜暗くなったら寝ること。

三食決まった時間に食事ができること。

新鮮な食材を買って料理を作り、ゆっくり食べること。

体を少し動かす為に、外の空気を吸って自然を見て感じること。

家族や大好な人達の声を、離れていても毎日聞くことができること。

 
海外を飛び回っていた私は、常に夏と冬が交互に来るような生活をしていましたが、毎日日本で過ごせることで、ちょっとした季節の移ろいや気温の変化を感じ、忘れかけていた日本の四季の美しさを改めて感じることが出来ました。

 

また、今までは忙しくて自分の生活でいっぱいいっぱいになっていましたが、毎日家族や大切な人の事を考えて、体調は大丈夫かな?元気かな?と思いやる余裕が生まれてきました。

 

外出自粛で人と会えない生活が続いていますが、電話で声を聞くとこんなにホッとするんだという事に気付く事もでき、日々の当たり前の生活の中にある幸せ瞬間を再発見しています。

 

医療従事者の方をはじめ、私達の日々の生活を支えるために働いてくださっている方々には、感謝してもしきれないほどの気持ちです。

 

休む暇なく第一線で戦ってくださり、丁寧な暮らしどころではないという方々も多くいらっしゃると思います。

 

その中で、私が少しでもできることといえば自分自身が心身共に健康でいること、感染しないこと、感染を広めないことだと考えました。

 

自分の体や心の小さな変化も気付きやすくなった今、フライトで忙しい日々が戻ってきても、"丁寧な暮らし"をこれからも取り入れていける工夫をしていこうと思っています。

 

 

アフターコロナに向けて

新型コロナウィルスの影響で、多くの人や企業がダメージを受けている事と思います。もちろん航空業界も私達客室乗務員もその一人です。

多くの専門家の方は「コロナが収束しても世界は前のようには戻らない」とおっしゃっています。

私自身、航空業界も、客室乗務員の働き方も大きな変化を迎えるように感じています。

世界が、私達の働き方が、元には戻らなくても、世界は悪くなるとは思いたくありません。

私の小さなポジティブチャレンジが、たった一人にでも誰かを笑顔にできるような未来に繋がればと思っています。

 

 

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