南島原市「マテ貝採り自粛を」 地元不安 龍石海岸に人だかり

干潟に出てマテ貝採りをする行楽客=南島原市西有家町、龍石海岸

 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛要請が続く中、長崎県南島原市西有家町の龍石海岸には家族連れらが訪れ、マテ貝採りを楽しんでいる。同海岸は例年、ゴールデンウイーク期間に行楽客が増えるため地元で不安の声が出ている。
 同市は3月下旬から5月上旬が潮干狩りシーズン。同海岸は大潮の干潮時に沖まで干潟が姿を現し、マテ貝採りの人々でにぎわう。だが、今年は新型コロナ感染拡大で市外からの人の流入を不安視する声もある。市内の60代男性は「みんなの自粛で感染者が出ていないのに、島原半島外から持ち込まれたら大変」と話す。
 同市水産課によると、市は同海岸でマテ貝採りに多数の人出がある状況を把握しているが、自粛要請の看板設置などはしていない。地元漁協も稚貝放流などをしていないため入漁料を徴収しておらず、今年も特別な対応はないという。
 同市の松本政博市長は「マテ貝採りを楽しみにしている市内外の人に申し訳ないが、感染拡大を防ぐため今年は遠慮してほしい」と自粛を呼び掛けている。


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