インディアンスに痛手 新戦力クラーセが80試合出場停止

現地時間5月1日、メジャーリーグ機構はエマニュエル・クラーセ(インディアンス)に対して80試合の出場停止処分を科したことを発表した。コリー・クルーバーとのトレードでデライノ・デシールズとともにインディアンスへ加入したクラーセだが、薬物検査の結果、パフォーマンス向上薬(PED)の一種であるボルデノンに陽性反応を示した。レギュラーシーズンの試合数次第では、今季全く登板できない可能性もある。

インディアンスは「エマニュエル・クラーセがメジャーリーグの薬物規定に違反して出場停止処分を受けたことを知り、残念に思っています。我々はメジャーリーグの方針とPEDを排除する努力を支持します。我々はエマニュエルと連絡を取り合っており、出場停止処分が終わったあと、彼が戻ってくるのを歓迎します」とのコメントを発表。サイ・ヤング賞2度のクルーバーを放出した際に獲得した交換要員の目玉だっただけに、インディアンスにとっては大きな痛手となる。

クラーセは昨季レンジャーズでメジャーデビューを果たし、21試合に登板して23回1/3を投げ、2勝3敗、1セーブ、4ホールド、防御率2.31、21奪三振を記録。時速100マイルに達するカッターを最大の武器としており、殿堂入りの名クローザー、マリアーノ・リベラ(元ヤンキース)のような投手へ成長することを期待する声もある。スプリング・トレーニング中に背中を痛め、少なくとも5月まで登板できない見込みだったが、戦列復帰はさらに遅れることになった。

クラーセの出場停止によりチャンスを得るのは、クラーセと同じく昨季メジャーデビューを果たしたジェームス・カリンチャックだろう。昨季はメジャー昇格後5試合に登板して5回1/3を投げ、防御率1.69、8奪三振、被打率.150の好成績をマーク。3月下旬にAAA級コロンバスへ降格となっていたが、クラーセの出場停止によって開幕ロースターに名を連ねる可能性が極めて高くなった。

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