珍鳥「クロジョウビタキ」 五島に飛来、撮影者もビックリ

福江島に飛来したクロジョウビタキの雄=五島市玉之浦町(西上裕一郎さん撮影)

 国内で観察されるのは珍しいクロジョウビタキ(ヒタキ科)が4月、長崎県五島市福江島に飛来し、同市木場町の会社役員、西上裕一郎さん(46)が撮影した。県内の観察例は数件しかなく、五島市内では初めて。
 同市の鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンターなどによると、ヨーロッパや中国などで繁殖し、冬になるとアフリカやインドなどに渡る。日本には迷鳥として飛来。スズメほどの大きさで、日本で一般的に見られるジョウビタキに比べ、雄は頭部が黒く、翼の白い模様がない。今回見つかったのは雄だった。
 野鳥観察が趣味の西上さんは4月26日、同市玉之浦町で車を運転していたところ、道路沿いにヤツガシラという珍しい鳥がいるのを発見。車を降りて観察していると、別の見慣れない鳥も飛んで来たため、カメラで撮影した。自宅に戻ってインターネットで調べ、別の鳥がクロジョウビタキだと分かったという。
 西上さんは「畑や小川を飛び回ったり側溝の中に入り込んだりしていた。(ヤツガシラを含め)珍しい鳥を同じ日に発見できて、自分でもびっくり。運を使い切ったかも」と笑った。

 


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