1000年前の貴族文化が甦る京都の葵祭〜アクセス・日程など〜【2020年中止】

葵祭(あおいまつり)とは

葵祭とは、京都市の下鴨神社(しもがもじんじゃ)と上賀茂神社(かみがもじんじゃ)の例祭(Annual Festival)。毎年5月15日に行われます。7月の祇園祭や10月の時代祭とともに京都三大祭の1つに数えられる、京都を代表するお祭りです。

祭りの見どころは、「路頭の儀(ろとうのぎ)」と呼ばれる大行列。500名以上もの人々が800〜1200年前の平安時代の貴族の衣装を着て京都の街を歩きます。行列の参列者やその携帯品、動物のすべてを下鴨神社、上賀茂神社2つのシンボルのフタバアオイ(※1)の葉で飾ることから、葵祭と呼ばれるようになりました。普通の祭りにあるような屋台(※2)はありません。

行列は、平安時代の楽器を神前で演奏するために持ち運ぶ列や牛が引く御所車(ごしょぐるま、carriage)なども登場し、さながら平安時代の雰囲気です。いにしえの貴族文化が今に甦る葵祭。その開催日、アクセス、見どころをまとめました。

2020年の葵祭は中止

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、2020年の葵祭は中止が発表されました。

例年の葵祭の日程は以下の通り。毎年、同じ日に行われます。

例年の日程:5月15日 10:30〜15:30

葵祭の会場と京都駅からの行き方

葵祭の見どころである大行列は、京都御所から下鴨神社、下鴨神社から上賀茂神社へと、およそ8kmの道のりを進行します。祭りの要所となる京都御所、下鴨神社、上賀茂神社それぞれへのアクセスを紹介します。

東京から京都までのアクセスについて詳しくは「新幹線と夜行バスどちらがベスト?東京から京都への行き方」の記事をご覧ください。

京都御所

京都御所から10時30分頃に行列が出発します。京都駅から地下鉄で行くとよいでしょう。

京都駅から京都市営地下鉄烏丸(からすま)線・国際会館行きに乗車し、丸太町(まるたまち)駅で降ります。所要時間はおよそ8分、料金は260円です。今出川駅から京都御所までは徒歩5分ほどです。

京都御所
住所:京都府京都市上京区京都御苑(かみぎょうくきょうとぎょえん)3

下鴨神社

行列が下鴨神社に到着するのは11時40分頃。京都駅から下鴨神社まではバスで行くのが便利ですが、渋滞に巻き込まれる可能性があるため、早めのバスを利用しましょう。

京都駅前のバス停、A2番乗り場から市営バス・河原町通 四条河原町・北大路バスターミナル行きに乗り、下鴨神社前で下車。所要時間はおよそ30分、料金は230円です。

電車を利用する場合は、京都駅よりJR奈良線に乗り、東福寺駅へ。京阪電車の出町柳駅行きに乗り換え、出町柳駅で下車後、徒歩15分ほどで下鴨神社にたどり着くことができます。

下鴨神社
住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59

上賀茂神社

行列の終着点となる上賀茂神社へはバスが便利。行列は15時30分頃に到着します。

京都駅前のバス停、B1番乗り場から、西本願寺・二条城・上賀茂神社行きのバスに乗り、上賀茂神社で降ります。料金は230円です。
電車で行く場合の最寄り駅は北山駅ですが、徒歩25分ほどと遠いので、早めのバスに乗って行くとよいでしょう。

上賀茂神社
住所:京都府京都市北区上賀茂本山339

葵祭の見どころ

葵祭の大行列「路頭の儀」は、大きく分けて2つの列に分かれます。天皇の使者である勅使(ちょくし)に扮した人物が中心の「本列」と、内親王より選ばれる「斎王」にかわる斎王代(さいおうだい)が中心の「斎王代列」の2つです。

本列(ほんれつ)

祭りの中心的な存在ともいえるのが、勅使(ちょくし)。葵祭の行列「路頭の儀(ろとうのぎ)」は、この勅使が下鴨神社と上賀茂神社に天皇のお言葉を届ける、という趣旨で行われています。本列では、馬に乗った勅使をはじめ当時の警官や役人など、主に男性たちが参列。厳かな雰囲気です。

※画像は勅使ではありません。

斎王代列(さいおうだいれつ)

本列とは対照的に、女性中心で華やかな雰囲気の斎王代列。斎王とは、下鴨神社と上賀茂神社に仕えた皇族の未婚女性を指します。斎王代列には当時の女性の正装である十二単(じゅうにひとえ)を着た斎王、斎王に仕えた巫女などが参列します。華やかな女性たちの衣装にも注目です。

葵祭のオススメの観覧スポット

京都御所

一番のオススメは、行列の出発点の京都御所。平安風の建物や京都の山々を背景に行列を眺められます。

下鴨神社の糺の森(ただすのもり)

糺の森は下鴨神社の境内にある森林。ここからは近隣のビルが見えず、平安時代の雰囲気に浸ることができます。写真撮影にもぴったりのスポットです。なお、境内警備のため、午前11時以降は入場できません。

加茂街道(かもかいどう)

賀茂川の右岸を走る加茂街道。並木道だから、木々の緑と一緒に平安行列を眺めることができます。比較的混雑していないのも嬉しいポイント。

京都ならではの優雅な雰囲気を味わえる葵祭で、貴族中心だった平安時代の華やかさを体感してみてください。

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