消毒用アルコールを医療機関に寄付 人吉市の焼酎蔵元「深野酒造」

人吉医療センターの木村正美院長(右)に消毒用アルコールとして使えるリキュールを手渡す深野酒造の深野誠一社長=人吉市

 人吉市の球磨焼酎蔵元「深野酒造」は、消毒用アルコールとしても使えるリキュールを開発。4月27日、同市の人吉医療センターに寄付した。

 深野酒造の深野誠一社長が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い感染症指定医療機関の同センターでも消毒用アルコールが不足していることを知り、開発を買って出た。商品「球磨ン衆」の原酒を2回蒸留。1日分の生産を最大80リットルに抑えることで、消防法に基づく工場整備をせずに製造を可能にした。

 度数は77度。500ミリリットル入りの瓶30本の寄付を受けた同センターの木村正美院長は「地元企業の協力はうれしい。ともにコロナと戦いたい」と感謝した。

 当面、県内外の医療機関向けに寄付する方針だが、5月中の販売も目指す。商品名は「FUKANO77」で、1本1600円(税別)。(小山智史)

熊本日日新聞 2020年5月2日掲載

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