【茨城国体】相撲成年 連続入賞「7」に更新、そして次へ
わずかな隙も与えずに連続入賞記録を「7」に伸ばした。2019年茨城国体の相撲成年団体。競技第1日の予選を首位突破した長崎は、8強入りを懸けた決勝トーナメント1回戦も圧巻の強さを見せて入賞を確定させた。
この時点で予選から計4試合を戦い、メンバー3人はいずれも全勝。14年長崎がんばらんば国体以来の優勝すら予感させるような内容だった。
期待をさらに膨らませてくれたのが準々決勝。先鋒松園大成(日体大)が威勢のいい突き押し相撲で先勝すると、中堅高橋修(長崎鶴洋高職)も続いて4強入りを確定させた。続く準決勝、3位決定戦はいずれも1-2で敗れたが、番狂わせの要素が多分にある土俵の上で、長きにわたり結果を残し続けている勝負強さは目を見張る。
メンバーは30代の教職員が中心。練習時間や練習パートナーが限られている中「短期集中型」のトレーニングを突き詰めて毎年、国体本番に最高の状態に仕上げている。
だからこそ、今秋の鹿児島国体は例年以上に期待してしまっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、地域や世代を問わずスポーツができない時期が続いているが、普段から厳しい状況下で活動しているベテランたちなら、このコロナ禍もペースを乱さずに乗り越えてくれるはずだ。国体本番、勝ち星を重ねる姿が早くも目に浮かぶ。
【和歌山国体】ハンドボール成年男子 継続でつかんだ1勝
2015年和歌山国体。クラブチーム「長崎社中」主体のハンドボール成年男子が、04年埼玉国体以来の1勝を挙げた。試合後、監督の小川直宏(鹿町工高教)は「何とも言えない1勝。やってきて良かった…」と少しだけ言葉を詰まらせた。彼らを高校時代から取材していただけに、こちらも胸が熱くなった。
14年長崎国体を見据えて、10年に発足した長崎社中。学生時代に実績を残してきた瓊浦、長崎日大高などのOBが「長崎のために」と集結した。「同じ志を持つ者で集まる」という意味を込めて、チーム名に「社中」という言葉を入れた。
始動から数カ月後のジャパンオープンで準優勝するなど、結果はすぐに出た。全国トップレベルを経験してきた彼らにとって、それぐらいは当たり前だった。だが、日本リーグ勢が出てくる国体は勝てない。地元国体もトヨタ車体主体の愛知に19-32で敗れた。
この敗戦で目標を見失いかけたが、チームは「継続」を選択した。迎えた15年和歌山国体の北海道戦。センター岩尾賢二(メットライフ生命)を軸に得点を重ねて、35-17で快勝した。
チームは今も活動を継続中。週2回程度、メンバー18人が仕事と両立させながら「同じ志」を持って練習している。現監督の岩尾は「また、実業団と勝負できるようになりたい」と“打倒日本リーグ”の夢を諦めていない。