社説[コロナ禍の県議選]具体的政策を提案せよ

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 今年最大の政治決戦とされる県議会議員選挙が7日で投開票まで1カ月を迎える。定数48人に対して、64人が立候補を表明した。そのうち、玉城デニー県政に対する政治的な立場は与党が35人、野党24人、中立5人。
 現在の構成は欠員2人で、与党26人、野党14人、中立6人。与党が多数を占め、玉城県政の安定運営を支えている。今回の県議選で、与党が過半数の議席を維持できるかが焦点になる。
 通常であれば、終盤の攻防が各選挙区で繰り広げられるが、今回は新型コロナウイルスの影響で状況は一転、各政党や立候補予定者の戦略を大きく狂わせている。
 4人の公認候補を立候補させる予定だった公明党は新型コロナの感染拡大が続く中、支持者の感染防止や選挙活動が大幅に制限されることなどを理由に、現職と新人の2人の擁立を断念した。
 過半数には25議席が必要。公明の候補者は2人となり、自民21人、無所属の会2人と合わせ「非与党系」は25人。逆転には全員の当選が必要だ。野党・中立会派は態勢の立て直しが迫られそうだ。
 名護市辺野古の米軍新基地建設問題も大きな争点の一つだ。本紙アンケートに対し、立候補予定の64人のうち、57.8%となる37人が反対。「条件付き容認」21人と「賛成」4人を合わせた建設肯定派は25人(29%)だ。
 反対は与党35人と中立・公明の2人。野党全員が「賛成」「条件付き賛成」を選んだ。
 新基地建設問題に対する姿勢は分かれ、有権者の判断材料の一つになる。
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 県議選は、就任から1年半を過ぎた玉城県政の「中間評価」の性格を帯びている。与党が過半数を維持できなければ、県政は立ちゆかなくなり、厳しい運営が迫られる。
 県議選は沖縄が進む方向に極めて大きな影響を与えるだけに、国政にも波及するとして政府・自民党も重視している。
 県議選は与党「オール沖縄」対「野党・自民、中立会派」の議会過半数を巡る選挙戦だけではなく、玉城知事対安倍政権という側面もある。
 「オール沖縄」は翁長雄志前知事の強いリーダーシップの下、保守革新を超えた政治勢力を生み出し、知事選をはじめ、ほとんどの国政選挙で勝利を収めた。
 県議選は「オール沖縄」を率いる政治家として玉城知事の真価が問われる。
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 県内の繁華街では観光客の姿が消え、店舗の休業で人通りがまばらだ。
 これだけの経済危機、社会危機のさなかで行われる県議選はこれまで例がない。
 休業した経営者らは事業の立て直しの見通しも見えず、廃業も口にする。仕事場を失い、あすの生活さえ見えない人もいる。アルバイトがなくなり、学業継続に不安を抱く学生も少なくない。
 県の政策に反映できる具体的な提案がいま求められている。有権者は立候補予定者が打ち出す公約、言葉を吟味し、現在の生活、沖縄の将来を考え、選択する時だ。