休業要請で長崎県が方針 「解除と延長」事業者明暗 遊興施設、募る不満

休業要請の延長に対し、テークアウトでしのぐというレストランバーCopen=長崎市油屋町

 新型コロナウイルス感染拡大を背景にした県内事業者に対する休業・営業時間短縮要請は一部を除き6日で打ち切られることになり、多くが営業を再開するとみられる。だが約2千の遊興施設はさらに2週間の“我慢”を求められ、明暗が分かれた。

 街のにぎわいを左右する大型商業施設の判断は割れた。浜屋百貨店(長崎市浜町)は「お客さまから再開要望もあった。緊張感を持って営業する」と7日から全館営業に戻す。ハマクロス411(同)も同様。みらい長崎ココウォーク(長崎市茂里町)は映画館やゲームセンター、スポーツジムの休業は維持する。ただ3施設とも営業時間は短縮。一方、佐世保玉屋(佐世保市栄町)は緊急事態宣言延長を踏まえ、食品売り場がある1階を除き7日以降も当面休業する。
 解除に対し、長崎市銀屋町でレストランを営む村上悟さん(32)は「ありがたい。地方だけでも経済を回さなければ」と歓迎。だが時短営業で売り上げは激減しており「解除して終わりではなく、プラスアルファの支援を」と要望した。
 中村法道知事は5日の会見で県民に「接待を伴う夜の街への外出を極力控えて」と呼び掛けた。
 これに長崎市油屋町のレストランバーCopenオーナーの吉原正記さん(60)は「安全のため、みんなで一気に休んで収束させた方がいい」と理解を示す。夜の営業をやめ、4月の売り上げは前年比約9割ダウン。光熱費支払いなど不安はつきないが、「今は我慢」と日中のテークアウトで乗り越えようとしている。
 対照的に同市内のバー経営者(38)は「6日を目標に耐えてきた。自分たちにも働く権利はある」と反発する。要請に従い営業時間を短縮した結果、収入はほぼゼロ。このままではアルバイトを復帰させられず、7日から通常営業に戻す気だ。
 「狭い居酒屋もある。店舗によって環境はさまざま。バーだから一律に休めというのは納得できない」。佐世保市内の外国人バー経営者(37)はこう憤る。県によると、居酒屋は遊興施設ではなく飲食店に分類し、客同士の間隔確保や換気を前提に要請を解除する。遊興施設は要請に応じても追加の協力金はなく、「真面目に閉める店がばかを見る」。長崎市内のスナック経営者(66)も「客に間隔を開けて座ってもらえば大丈夫なはず」と不満を募らせた。


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