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5月5日のこどもの日、朝日新聞の朝刊に特大の全面広告が掲載されました。
これが思わぬ反響を呼んでいるようです。
その名も『のび太になろう。』
「今日はこどもの日。
本当は遊びに行きたいよね。
おじいちゃんおばあちゃんにも会いたいよね。
でもね、今はおうちにいよう。
それだけで大切な人を、世界を、
守れるんだから。
ジャイアンにみたいに野球が好きなきみも、
スネ夫みたいにラジコンが好きなきみも、
いっしょうけんめいのんびりしよう。
のび太くんみたいに、ね」
この文章とともに、部屋で昼寝するのび太とそれを見守るドラえもんが描かれています。
その広告は壁紙として、ドラえもん公式の『ドラえもんチャンネル』から無料でダウンロードできるようになっています(「のび太になろう」のかべがみ https://dora-world.com/contents/1415 )。
長引く学校の休校と自粛生活で、外で遊ぶこともできない子どもたち。
それは、こどもの日に限ったことではないでしょう。
抱えているストレスは、うまくコントロールして発散できない分、ひょっとしたら大人以上かもしれません。
大人たちは自粛と言いつつ、パチンコに行ったり、バーベキューに行ったり、実家に帰ってみたり、東京に戻ってみたり…と子どもたちの方がよっぽど我慢しているかもしれません。
そんな子どもたちへ「のび太になろう。」のメッセージは届くのでしょうか?
ネットやSNS上では、こんな書き込みがありました。
「子どもに見せたら、フーンで終わり、自分の方が喜んでます!」
「息子は無関心。俺がのび太になろうとしたら、妻に怒られた…」
案外、このメッセージが響いているのは大人の方で、肝心の子どもには微妙な感じもします。
また、この広告が掲載されたのが、紙媒体の朝日新聞です。
近年の新聞部数の落ち込みと購買読者の高齢化を考えると、子どもの親世代よりも、子どものおじいちゃん世代が広告を見たケースも多いようです。
「息子に義父から、のび太、のび太になろう…と電話がきました」
「祖父にのび太になれと言われた小4の娘…はあ?と冷たい返事」
それはそうかもしれません。
いつも昼寝ばかりで、困ったらドラえもんがやって来る…、そんなのび太になりたがるのは、たいてい大人です。
さらに、ドラえもんが叫んだ過去のセリフもSNS上にアップされていました。
「日本中が きみのレベルに落ちたら、この世は終わりだ!」
たしかに…、今までであれば、ドラえもんの言う通りでしょう。
しかし、この新型コロナウイルスの感染状況を考えれば、子どもだけではなく、大人こそ、のび太くんにならないと、いつまでたってもコロナは収束しないかもしれません。
「子どもだけじゃなく、命を守る仕事以外の日本国民はのび太くんになろう!」
そんな思い切った意見もありました。
「じゃあ、いろんな道具(施策)を出してくれそうな政府はドラえもん??」
ただ、のび太になったとして、どんなに苦しくなっても、ステキな道具で助けてくれるドラえもんは、残念ながら、この日本にはいないと思ったほうがいいでしょう。(文◎編集部)