ブレイク後も自分のスタイルを崩さず奮闘する高橋一生

優れた芸術家らを表彰する「第四十五回 菊田一夫演劇賞」が先日発表され、「演劇賞」を「天保十二年のシェイクスピア」での佐渡の三世次の役の演技が評価された俳優の高橋一生が受賞した。

高橋は受賞にあたり、「作品の時代背景である天保年間には、歌舞伎や寄席、娯楽の禁止という文化統制があったそうです。それでも今日、お芝居や音楽という多くの娯楽は失くなることなく存在しています。頂いた評価は自分という個人のみではなく、娯楽を見て感じてくださる方たちは勿論、娯楽を作る側の人間、ひいては娯楽そのものへの希望と捉えたいと思います」と、喜びのコメントを寄せた。

幼少期は自動劇団に所属。1990年の映画「ほしをつぐもの」で映画初出演を果たし、95年のスタジオジブリ製作のアニメーション映「耳をすませば」では主要キャラクター・天沢聖司の声を演じた。01年からは劇団扉座に入団し、舞台「フォーティンブラス」で準主役デビューを果たした。

以後、数々の映像作品や舞台に出演したが、注目を浴び始めたのが15年にテレビ朝日系で放送されたドラマ「民王」。遠藤憲一演じる首相の第一公設秘書を演じ、「第1回コンフィデンスアワード」のドラマ賞と「第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」でそれぞれ助演男優賞を受賞。

そして、17年、話題になったTBS系ドラマ「カルテット」、NHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」や連続テレビ小説「わろてんか」に準主役級で相次いで出演し一気にブレイク。同年3月には女性誌「an・an」のヌードグラビアに登場し話題になった。

「ブレイクしてもまったく浮かれることはなく、自分のスタイルを決して崩さず。どんな役が来てもいいように1日1食で体型をキープ。基本的に撮影前に役作りはせず、現場の感覚を大事にして役にアプローチする。本番中は鬼気迫る表情なのに、撮影の合間にはとびっきりの笑顔を見せるので女性スタッフや共演者はメロメロです」(映画ライター)

根強い女性人気を集めるのも納得だ。

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