【新型コロナ】ネットカフェ難民受け入れ先が閉所 避難者全員退所へ

ネットカフェ利用者らの多くが退所したシンコースポーツ県立武道館=7日午後6時10分ごろ、横浜市港北区

 新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言を巡り、神奈川県が休業を要請したインターネットカフェの利用者を受け入れてきたシンコースポーツ県立武道館(横浜市港北区)が閉所し、避難者の多くが施設を後にした。最大80人近くが身を寄せたが、7日午後6時現在の滞在者は8人に。11日までに公営住宅など新たな住まいを確保し、全員が退所する見通し。

 武道館は4月11日に開放され、延べ125人を受け入れた。県が閉所するとした今月6日も57人が滞在していたが、閉所日はあらかじめ伝えられており、7日午前に大勢が退所したという。

 滞在中は自治体職員が県営住宅をあっせんするなど、新たな入居先を提供してきた。県の担当者は「全員に住居を提供できたわけではないが、できる限りのお手伝いはできた」と話した。

 藤沢市出身のアルバイト男性(54)は11日までに退所し、川崎市内の県営住宅で暮らす予定だ。家賃は月6千円、管理費3千円で「契約は半年間。状況に応じて更新もできそう。ずっと満員だったのでタイミングよく契約できた」と胸をなで下ろしつつ、「(住居が)見つからなかった人も多いのでは」と案じた。

 一方、日雇いで働く横須賀市出身の男性(41)は5日に退去。今は都内で営業を続けているネットカフェで寝泊まりしているといい、「ここもいつ閉まるか分からない。次の場所を探しながら働くのは精神的につらい」と不安を募らせていた。

 県は11日から、かながわ県民センター(横浜市神奈川区)に生活支援総合相談窓口を開設。失業や収入減などによる生活困窮の相談、県営住宅の一時提供の紹介、就職情報などについて受け付ける。

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