ジュゴン訴訟で原告敗訴 米連邦高裁、国防総省手続きは「合理的」 確定判決の可能性も

©株式会社琉球新報社

 日米の環境団体が米国防総省に沖縄県名護市辺野古の新基地建設中止を求めたジュゴン訴訟の控訴審で、米サンフランシスコの連邦高等裁判所(第9巡回裁判所)は現地時間の6日、原告敗訴の判決を出した。原告は被告である国防総省に対し、新基地建設が天然記念物ジュゴンの生態に与える影響への「考慮」が不十分だとし、米文化財保護法(NHPA)に違反すると主張していた。判決は、新基地の建設と運用がジュゴンの生態に影響を与えないと判断した国防総省の手続きは「合理的」だったとし、原告の訴えを退けた。

 原告は最高裁への上告などを検討中。ただ米国の最高裁が審理対象とする範囲は絞り込まれるため、今回の結果が確定判決となる可能性もある。

 判決は「被告は特に(ジュゴンの)生息群の分裂や遊泳ルートの混乱を考慮しなかった」と指摘し、原告の主張を一部認めた。一方、「新基地の建設と運用がジュゴンの生息をさらに細分化したり、既存の遊泳ルートを妨害したりすることを示唆するデータはなかった」とした。その上で、基地建設がジュゴンの生態に影響を与えないと判断した国防総省の検討プロセスは「非合理ではない」とし、原告の訴えを退けた。

 原告は、国防総省による地元関係者との協議が不十分だったとも主張していた。これについて判決は「法は国防総省に特定の個人やグループと協議することを求めてはいない」とした。また同省は直接の協議ではなくても「間接的」な形で必要な情報を得て判断したとし、NHPAが求める文化財に対する「考慮」の内容について国防総省側の広い裁量を認めた。

 2月の最終弁論で国防総省は、辺野古のジュゴンはそもそもNHPAによる保護の対象ではないとも主張していたが、判決は保護対象になるとの認識を示した地裁判決を支持していた。