休業要請緩和

　連休明けも好天。ところで石原さとみさんはどこの区間をどんな風に走るはずだったのだろう－と何を今さら、と言われそうなことをぼんやり考えた。東京五輪の聖火リレーはきょうとあすの2日間、県内を巡る予定だった▲記念号外だ、特集紙面だ、と新聞社も大忙しのはずだった。だが、忙しさを真ん中で担うはずの運動部員たちは口をそろえて「あ、そういえばそうでしたね…」▲五輪の延期やリレーの中止が決まったのは、ほんのひと月半前。それがずっと昔に感じられるのは新型コロナ特措法の「緊急事態宣言」の下、重苦しい非日常を延々と強いられてきた何よりの証拠かもしれない。「出口戦略」を求める声も強まり始めた▲県は「感染防止策を講じた上で」のただし書き付きで休業要請の大幅緩和に踏み切った。「県民を主体にした経済活動は一定再開してよいと判断した」と知事▲全国的な感染の波が収まったとは言い難い。この波は長崎に届かずに済んだのか、まだ届いていないだけなのか－と考える時、後者の可能性から目をそらすわけにはいかない。はやらず焦らず、慎重に丁寧に日常を取り戻していきたい▲のんきに「1年後に持って行きたい青空…」などと書きかけて、まだ、何も終わっていない、と思い直す。油断禁物－と胸に刻む。（智）