被災水田、5年ぶり早苗戻った 南阿蘇村乙ケ瀬地区

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乙ケ瀬地区の5年ぶりの作付けで、田植え機を操作する藤本義雄さん=7日、南阿蘇村

 熊本地震などで被災した熊本県南阿蘇村乙ケ瀬地区で7日、5年ぶりに田植えが再開された。県の農地整備工事が3月までにおおむね完了。区画整理を終えた真新しい水田に、田植え機が緑の点線模様を描いた。

 県阿蘇地域振興局によると、同地区では山腹崩壊による土砂流入や、農地に亀裂が発生。その後の大雨でさらに被害が拡大した。

 県は2018年に工事に着手。計18ヘクタールで、1区画当たりの平均面積を18・6アールから23・5アールに広げたほか、農作業の効率化のため道路も拡幅した。残る事業はため池工事などで、来年度末までに完了見込み。総事業費は7億3650万円。

 この日は地元農家の藤本義雄さん(86)が、親族6人と一緒に作業を開始。久しぶりの田植え機操作に戸惑いながらも、約25アールにコシヒカリを植えた。

 藤本さんは「念願の米作りが再開できて感無量。地震で失った自宅も昨年再建し、やっと元通りになった。またよか米を作ります」と意気込んでいた。(上杉勇太)