新型コロナ 耐えてつなげ相乗りビジネス

けいナビ

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今週のけいナビは、新型コロナウイルスの影響を受けながらも工夫しながら事業を続ける取り組みを紹介する。

道東・釧路でとれる、今が旬のトキシラズ。秋サケとは違い、季節外れに取れるため「時知らず」と呼ばれる。産卵前のため、身に脂がのっている高級魚として知られる。主要なイベントの中止が相次ぎ、外食で消費されることの多いトキシラズは、行き場を失っているという。

地元漁師は苦難が続く

近海の魚介類が集まる和商市場。店頭の3キロほどのトキシラズ。例年であれば値段は1尾1万円を軽く超えるというが、現在は例年より2~3割安く出回っているという。

飲食店の休業で売り上げが大幅に減り、外出の自粛で市場を訪れる客も期待できない。そこで割安となった高級魚・トキシラズを家庭で消費してもらおうと踏み切ったのが、「オンライン販売」。

和商市場で50年続く、丸栄田村商店。今回の事態を受け、初めてオンライン販売に乗り出した。この日、決して多くはないというが、7件の注文を受けた。感染拡大の収束を見据え、耐えしのぐ日々が続く。

シイタケなどのキノコを生産する、フォーレ白老。13年前から、中国とベトナムの外国人技能実習生を受け入れている。ことしは中国から9人、ベトナムから7人の計16人を受け入れる予定だった。人手が足りなくても、シイタケの成長と出荷は待ってくれない。従業員140人のうち、40人が実習生。 会社にとって貴重な戦力だが、新型コロナウイルスの影響による出入国の制限で、実習生が来日できていない。

問題の解決方法は身近なところに。新型コロナウイルスの感染拡大で激減した観光客。国内有数の温泉地・登別温泉でも、多くのホテルが休業を余儀なくされている。市内の就労継続支援施設「月とらいおん」は2カ所のホテルで客室清掃を請け負っていたが、ホテルの休業で仕事がなくなった。

3月中旬から施設では、ホテルの客室清掃を担当していた知的障がい者10人をフォーレ白老に派遣した。出荷前のキノコの選別やシイタケの菌床を管理する作業を担っている。作業を請け負っている彼らには1カ月3万円の作業賃が支払われる。フォーレ白老は障がい者雇用の実績があり、受け入れはスムーズにできた。

フォーレ白老の坂内社長は、「近場の方に事業に参画していただく流れが、本来は基本中の基本だと思う。それをベースにしながら肉付けをしていくということが大事だと今回のことでよく分かった」と話す。

札幌を拠点に、タクシー業を営む平岸ハイヤー。国や道の外出自粛要請の影響で 、売り上げが3割以上落ち込んだという。神代社長は「地域住民に電話で仕事の依頼をもらえているため、この落ち幅で抑えられている」と話す。

4月の売り上げは前年同月比66.6%に

新たに買い物代行のサービスを始めるなど工夫を続けているが、影響がいつまで続くのか見通しは立たない。そこで新たに始めた事業が、「フードドライブ」。 北海道ザンギ連盟などと連携し、飲食店のテークアウト商品を客の家まで運ぶサービスだ。

フードドライブで運ぶテークアウト商品の試作品

客は家から出ずに料理を受け取れ、飲食店は人件費や車両などのコストをかけずに出前事業に参入できる。しかし、すでに大手の代行サービスが存在し、既存のビジネスモデルでは価格競争で勝負できないという。大手に対抗するために、フードドライブは、月額制の料金システムを取り入れる。客はプランに応じた金額を毎月支払うことで定期的に料理が届く。届く料理は選べないが、頻度に応じてプランを選べるようになっている。店舗は毎月、一定数の注文が見込めるほか、注文日や数量が事前に分かるため、食品ロスも減らせる。

一方で、課題は「会員数」。収益を確保するには、どれだけ会員数を増やせるかがカギとなる。平岸ハイヤーの主な営業エリアは、JR札幌駅からすすきのにかけてと、平岸周辺。札幌の中心部を押さえているため、十分な市場が見込め、配達の効率もいい。今月から50人程度の会員でサービスを始め、会員数を1,000人まで伸ばしたい考えだ。

平岸ハイヤーの神代晃嗣社長

新型コロナウイルスの終息が見通せない中、影響の長期化は避けられない。企業は地域や異業種との連携など、工夫が必要とされているようだ。
(2020年5月9日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)過去の放送はYouTube公式チャンネルでご覧になれます。
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