政府のロックダウン緩和をうけドイツ国内での6月からのモータースポーツ開催へ準備進める

 DMSBドイツ・モータースポーツ協会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響をうけドイツ政府が発表したロックダウンが一部緩和されることをうけ、ドイツ国内のモータースポーツ開催を6月から再開する方向で準備をすすめていることを発表した。

 ドイツでも新型コロナウイルスの影響により多くの感染者が発生し、モータースポーツも延期など深刻な影響が出ていたが、国内で行われてきた6週間以上にわたるロックダウンが功を奏したのか、新規感染者が減少傾向にある。

 そんななか、5月6日にアンゲラ・メルケル首相は当初よりも前倒しで段階的にロックダウンを緩和する措置を発表した。すでにサッカーのブンデスリーガも5月16日からの再開を発表したが、これはドイツのモータースポーツ界にも大きな希望を与えている。

 実質的には、ドイツでは8月31日までは1000人規模の大型イベントはすべて禁止となっていることから、『非接触型』の屋外スポーツ種目に限り、再開許可が下りたに過ぎない。ただそんななかDMSBは「モータースポーツの多くの部分において、それに該当する」との見解を示した。

「ここ数週間で、次なるステップについて集中的に準備に取り組んでおり、新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要なすべてのセキュリティ対策を遵守しながら、2020年シーズンを開幕できる」とDMSB副代表のハンス-ゲルト・エンスナーは語る。

 すでにドイツ国内ではDTMドイツ・ツーリングカー選手権、ADAC GTマスターズやVLNニュルブルクリンク耐久シリーズ等さまざまなレースでカレンダーの見直しがされてきたが、この政府のロックダウン緩和策で関係者一同が胸をなで下ろしているはずだ。

 このロックダウンのなか、DMSBはDOSBドイツ・オリンピックスポーツ連盟と緊密な関係を築いており、精力的に意見交換が行われたという。DOSBはドイツ政府に対しスポーツ界を代表する存在であり、両者はモータースポーツについて興味深い議論が交わされた。

 DOSBは政府に対し、ドイツ代表のオリンピック選手たちがふたたびトレーニングの機会を捻出しなければならない等の事項について先駆けて話し合いを行っており、その条件はすべてのモータースポーツの種目にも適用される規則例だとの見解を示している。

 またDMSBのスタッフは有識者との意見交換を毎日のように電話会議で重ねてきたという。レース開催に向けた新型コロナウイルス関連の衛生面や注意点等はDMSBのFAQサイトから(www.dmsb.de/covid19)で入手できる(ドイツ語のみ)。また、このサイトではガイドラインが必要に応じて順次更新される。

 すでにドイツでは、VLNが当初の予定どおり6月27日の開幕を目指して準備を進めている。政府の営業規制緩和にともない、ニュルがあるラインランド・プファルツ州は6月20日から営業許可が下りたとあり、現時点では開幕戦開催に向けてかなり期待がもてそうだ。

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