【新型コロナ】「前に進んで」 ノジマ桜本選手、インターハイ中止受け

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オンライン取材で現役高校生にエールを送るノジマステラ神奈川相模原のDF桜本尚子

 「苦しい部活動を乗り越えられたのは、仲間がいたから。自分の人生において特別な存在です」─。サッカー女子・プレナスなでしこリーグ1部のノジマステラ神奈川相模原で副主将を務めるDF桜本尚子(29)がオンライン取材に応じ、全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止に直面する現役高校生らに「3年間やり続けたことは絶対、力になる。前に進んでほしい」とエールを送った。

 東京都出身の桜本は浦和の女子ジュニアユースから高校サッカーの名門・常磐木学園(宮城)に進学。当時はまだインターハイに女子部門がなく、同時期に開催されていた全日本高校女子選手権が大きな目標だった。桜本は1年時からレギュラーとして試合に出場。最終学年で全国優勝を果たした。

 ただ、女子サッカー界のエリートコースを歩んできた桜本が誇るのは、タイトルやキャリアではない。「何よりも財産ともいえる仲間と出会えたのが大きかった」。同じ学年の選手は13人。現在のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の主将DF熊谷紗希(29)=リヨン=もいた。

 年末には毎年、全員が集まるほど絆は強く、「グループLINEもあり、移籍報告や結婚話など、近況報告は一番に伝えています」。特に熊谷とは約9年間、毎日連絡を取り合っているといい、「(熊谷は)私のこと、何でも知ってます」と笑顔で話す。

 常盤木ではサッカー漬けの日々だったと明かす。始業前、昼休み、放課後の3部練習は当たり前で、休日も数えるほど。「400メートルの坂を行ったり来たりして、500段の階段を上り下りする走り込みのメニューが相当苦しかった」

 そうした過酷なトレーニングをチームメートと一緒に乗り越えたからだろう。小学校低学年からというサッカー歴でも、高校3年間はかけがえのない思い出だ。厳しい競技環境と向き合う現役の生徒に、桜本はこんなメッセージを送った。

 「自分だったら、悔しい気持ちでいっぱいになると思う。でも団結してみんなで乗り越える経験は部活動でしか味わえない。これまでの過程を糧にして、得たものを今後の人生で生かしてほしい」