佐世保署と相浦署を統合 旧市民会館敷地に検討 長崎県警

佐世保、相浦両署を統合し、新たな警察署の設置が検討されている旧市民会館=佐世保市花園町

 佐世保署と相浦署を統合し、佐世保市花園町の旧市民会館敷地に新たな警察署を設置する方向で県警が検討していることが8日、分かった。今後、地元住民らに計画を説明し、本年度の一般会計補正予算案に調査費を計上できないか模索している。
 県関係者によると、新しい警察署はおおむね10年内での開設を想定している。市民会館は2017年に廃止されており、建物と敷地を保有する佐世保市とも協議を進める。PFI(民間資金活用による社会資本整備)方式による建設が可能かどうかも併せて検討する。
 佐世保署は1971年に建設され、県内の警察署で最も古い。相浦署も75年開設。いずれも築50年近くが経過し、施設の老朽化が課題となっていた。
 本県は人口減少や少子高齢化の進展に伴い、刑法犯認知件数や交通事故の発生件数は減少傾向にある。一方、高齢者を狙った特殊詐欺などの広域犯罪は増えており、手口が巧妙化している。両署の統合は、人員と機能を集約し、こうした犯罪への対応力を高める狙いもあるとみられる。
 警察署の統廃合を巡っては、今年4月に長崎署と稲佐署が統合し、長崎市尾上町に新たな長崎署が設置された。佐世保、相浦両署が統合すれば、県内は計21署体制となる。

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