アナゴ重で笑顔に 離島留学生に提供 「フレッシュ対馬」

離島留学生を励まそうと「対馬黄金あなご重」を振る舞ったフレッシュ対馬の島居社長(前列中央)=対馬高桜ケ丘寮食堂

 新型コロナウイルス感染症予防などのため、先月のほとんどを学校寮などで過ごした長崎県立対馬高の離島留学生を励まそうと、対馬市特産のアナゴを仲卸している「フレッシュ対馬」(同市豊玉町、島居吉秀社長)が9日、同校離島留学生約60人にアナゴ重を1人当たり2食分、無償提供した。
 同校は2003年に韓国語を専門的に学べるコースを設置し、島外出身者も親元を離れて寮や下宿などで生活しながら学ぶ離島留学制度を導入。現在は62人が在籍しており、その出身地は東京や大阪を含め13都府県にわたる。
 フレッシュ対馬は、アナゴの加工販売店を前身に13年創業。東京や大阪などに活アナゴやアナゴ加工品を出荷している。同社によると、新型コロナの影響で特に先月から売れ行きが鈍くなってきたが、離島留学生も入学・帰省後2週間の待機や臨時休校を耐えたと知り、対馬産ご飯に錦糸卵、煮穴子を載せた同社の冷凍食品「対馬黄金あなご重」(1個税抜き千円)の提供を申し出た。
 同市厳原町の同校「桜ケ丘寮」で、島居社長(41)は「対馬に来て良かったと思い、食べていただけたら」と話し、アナゴ重を離島留学生代表に贈呈。昼食として味わった1年の田染(たしぶ)愛梨さん(15)=静岡県出身=は「(静岡特産の)ウナギより厚くて、食べやすかった。すごくおいしかった」とほほ笑んだ。

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