長崎市は本年度以降、国指定史跡「シーボルト宅跡」(鳴滝2丁目)に設置され、江戸期に出島のオランダ商館医シーボルトが西洋医学を伝えていた「鳴滝塾」の模型の複製に乗り出す。完成した複製品は一般公開するほか、鳴滝塾の復元に向けた検討資料として活用する方針。
シーボルト宅跡は1922年に国史跡に指定。これまでに井戸や石垣の遺構が見つかっているが、鳴滝塾の建物の遺構は見つかっていない。そこで市は、鳴滝塾の外観や建物内部の詳細な間取りが分かる模型の複製品を作製することで、復元に向けた検討に生かしたい考えだ。
幕末期に作られたとされる模型は木製で、高さ57センチ、幅約60センチ。現在はドイツのミュンヘン五大陸博物館に所蔵されている。2017年には、長崎歴史文化博物館(立山1丁目)であった特別展で公開されたこともある。
市は本年度中にドイツへ業者らを派遣し、複製に向けた調査や図面作成を完了させる。21年度には複製製作に取り掛かる予定で、完成した複製については、シーボルト記念館(鳴滝2丁目)で一般公開する。
「鳴滝塾」模型を複製へ シーボルト宅復元の資料に
- Published
- 2020/05/10 00:23 (JST)
- Updated
- 2020/05/10 14:49 (JST)
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