新型コロナウイルス特別措置法に基づく全国への緊急事態宣言が、5月末日まで延長された。スポーツ界への影響も大きく、夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)などの各種大会は相次いで中止に。目標にしていた舞台が次々に失われる中、アスリートたち、特に高校生の「秋の鹿児島国体こそ…」という思いは日に日に高まっている。長崎県スポーツ協会の荒木健治理事長に、国体や九州ブロック大会についての思いなどを聞いた。
-コロナ禍のスポーツ界の現状をどう受け止めているか。
一人一人かわいそうなぐらい孤独に練習している。こんなに長くスポーツができないとは…。早く収束してほしいとしか言いようがない。そのためには、我慢しなくちゃいけない。我慢を強いられるのは仕方ないが、残念でたまらない。
-インターハイ中止を受けて。
インターハイはなくなったが、県高総体はまだ残っている。でも、それさえもなくなる可能性もある。ますます国体が重要視されるかなと思っている。
-国体開催の可否についてはどうか。
やるべきだと思うが、コロナは簡単に収束しないだろう。うまく付き合っていかないといけない。薬やワクチンができるなどの環境整備が前提になる。でも、いつでも大会に臨めるように、できる限りの準備はしていく。各競技団体にもお願いしている。
-国体予選となる九州ブロック大会で、まず5月下旬のカヌー(ワイルドウオーター、スラローム)が中止になった。代表選手選考方法が懸念されるが。
九州代表を決める際、昨年の実績で判断するのは難しい。特に少年種別は全然違う。試合をせずに決めることは可能な限り避けたい。どうしてものときは、競技団体で知恵を出し合って、公平公正に納得いく方法で選んでほしい。非常事態だから、今までと違うやり方で決めてもいいだろう。
-コロナ禍の状況次第だが、どうすれば7、8月に集中している沖縄開催の九州ブロック大会をできると考えるか。
今までこうだったからではなく、もっと創意工夫を凝らしてほしい。いろんなやり方があると思う。各競技団体の意見もくみ取ってほしい。仮に沖縄で開催できないとなったら、各競技別に試合をして決めるという手もある。競技別にどこかの県で集まって、記録会や交流試合を開ければ納得もできる。各県スポーツ協会も調整役として一緒にやっていけたらと考えている。
-九州ブロック大会の開催の可否は5月末に判断される見込み。時期は妥当だと思うか。
国体への参加選手の登録申込期限は8、9月まで。こんなに早く決めるのはおかしいのでは。平常時の方法で判断せずに、いつまで延期できるかなどのシミュレーションを立てないといけない。インターハイがなくなった高校生をはじめ、とにかく選手たちのためにを第一に考えていきたい。