2018年に行われたワールドカップで優勝を果たし、世界王者に輝いたフランス代表チーム。
誰もがこのサッカー界で最も優れた代表の一つだと考えている存在だが、その実力を支えているのは国外にルーツを持っている選手たちだ。
フランスが広く開かれた形で選手の育成に取り組んだことで、様々なルーツを持つタレントが輩出され、その中には他の代表で活躍しているスターも数多い。
今回『Sportskeeda』は「フランスにルーツを持つ選手のみで組んだフランス代表チームはこうなる」という記事を掲載しており、それを紹介する。
GK:バンジャマン・ルコント
クラブ:モナコ
ゴールキーパーの選択は難しい。ウーゴ・ロリスはスペイン人の父親を持ち、スティーヴ・マンダンダは国外生まれだ。アルフォンス・アレオラはフィリピンにルーツがある。
したがってデシャン監督が選択するならバンジャマン・ルコントになる。彼はフル代表のキャップは持っていないものの、昨年招集された経験はある。
CB:クレマン・ラングレ&エメリク・ラポルト
クラブ:バルセロナ&マンチェスター・シティ
フランス出身のDFという点では、それほど掘り下げる必要はない。サミュエル・ウンティティ(カメルーン)とラファエル・ヴァラン(マルティニーク)が使えなくなるが、ラングレとラポルトが起用できる。
ラポルトはバスク地方出身の曽祖父母を持っており、論争の末にアスレティック・ビルバオには入れたものの、かなり血は薄い。この2人であれば実力は十分だ。
SB:リュカ・ディーニュ&バンジャマン・パヴァール
クラブ:エヴァートン&バイエルン
サイドバックについてもそれほど大きなダメージはないだろう。左はバンジャマン&フェルランのダブルメンディとクルザワが使えず、リュカ・エルナンデスやジブリル・シディベもダメだが、ディーニュが使える。
右ではレオ・デュボワも残っていることから、ほとんどデシャン監督の頭を悩ませることはないだろう。
DMF:アドリアン・ラビオ
クラブ:ユヴェントス
守備的なポジションでいえば、エンゴロ・カンテがマリ、ブレーズ・マテュイディがアンゴラとコンゴ民主共和国、スティーヴン・エンゾンジがコンゴ、タングイ・エンドンベレもコンゴ民主共和国となかなか厳しい。
ただ残っているのがアドリアン・ラビオということで、他の中盤のポジションと比べれば比較的大きな問題にはならないはずだ。他にもリュカ・トゥザールやマクシム・ゴナロン、モルガン・シュナイデルランも使えなくはない。
CMF:ジョルダン・ヴェレトゥ&モルガン・サンソン
クラブ:ローマ&マルセイユ
ここは流石にデシャン監督も頭が痛いところだろう。もちろんポール・ポグバの兄2人はギニア代表選手であるし、コランタン・トリッソも父方の家系がトーゴである。マッテオ・グエンドゥージはモロッコとのダブルであり、ムサ・シソコもマリ出身の両親を持つ。フッサーム・アウアールはアルジェリアだ。
それなら誰になるべきなのかという点で言えば、A代表の経験がないにせよジョルダン・ヴェレトゥやモルガン・サンソンを使わざるを得ないだろう。
右ウイング:フロリアン・トヴァン
クラブ:マルセイユ
ウイングもなかなか多くの選手が使えなくなるポジションだ。キリアン・エムバペはカメルーン、キングスレイ・コマンやトマ・レマールはグアドループ、ジョナタン・イコネはコンゴ民主共和国。ナビル・フェキルもアルジェリアだ。
とはいえ、ここについては怪我さえなければ酒井宏樹の相棒フロリアン・トヴァンを使うことができる。デシャン監督も前線の中ではあまり悩まずにすむだろう。
左ウイング:マルタン・テリエ
クラブ:リヨン
左ウイングの項と同じく、多くの選手が使えない。アントワーヌ・グリーズマンはドイツとポルトガルがルーツであり、彼についても起用できない。ディミトリ・パイェットはそもそもレユニオン出身だ。
アンダーの代表経験も踏まえて考えれば、リヨンでプレーしているマルタン・テリエを使うべきだろうか…。
CF:ヴァレール・ジェルマン
クラブ:マルセイユ
ストライカーも厳しい場所の一つだ。オリヴィエ・ジルーはイタリア系で、ウィサム・ベンニェデルはチュニジア。ムサ・デンベレとアラサヌ・プレアはマリで、セバスティアン・アレルはコートジボワール…。
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今シーズン2ゴールしか決めていないジェルマンを入れるのは難しい判断にはなるかもしれない。このポジションはデシャン監督の才能発掘力に期待したいところだ。