[取材ノート] 新たな価値 提案する老舗 / 三重

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記者が取材現場で感じたこと、考えたことをざっくばらんに語ります。

「取材ノート」とは?
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経営コンサルタントの長谷川道春氏から「老舗ほど新鮮」と教えられたことがある。経営環境の変化に柔軟に対応し、新しいことに挑戦してきた企業こそが、斬新的な製品やサービスを提供続けられる「老舗」というわけだ。

萬古焼メーカーの銀峯陶器(本社四日市市)もそうだ。創業は1932年。新しい技法を開発し、機能性とデザイン性を両立した萬古焼をつくってきた。

ただ、最近では安価な海外製品に押され、日本の萬古焼市場は縮小。もっと萬古焼を日常的に使ってもらおうと、本社隣接地の民家を改装し、萬古焼を使用した料理教室を開催している。料理の盛りつけに合うプレートの選定など「見る楽しさ」を伝え、食卓の提案に力を入れる。「豊かな食生活のサポートをしたい」思いが込められている。

プロダクトサイクルが早く、新しい技術が出ては消えていく中、老舗ののれんを背負って新しい価値を提供していく企業をこれからも応援したい。

■倉科 信吾(くらしな・しんご)
四日市支局で北勢地域を担当。
新型コロナウイルス感染拡大の中、最近では旅行雑誌の写真を眺め、家にいながら「旅に出た気分」に浸っている。