神鋼、680億円の赤字 米中貿易摩擦、新型コロナ影響

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神戸製鋼所神戸本社=神戸市中央区脇浜海岸通2

 神戸製鋼所(神戸市中央区)が11日発表した2020年3月期連結決算は、最終的なもうけを示す純損益が680億円の赤字に転落した。前期は359億円の黒字だった。阪神・淡路大震災があった1995年3月期の924億円に次ぐ赤字額。米中貿易摩擦と新型コロナウイルス感染拡大による自動車用鋼材の販売減に加え、航空機部品などの生産設備で収益性の低下に伴う減損損失がかさんだ。

 売上高は前期比5.2%減の1兆8698億円。経常損益は前期の黒字346億円から80億円の赤字に転落した。事業部門別では、鉄鋼が213億円の経常赤字、アルミ・銅が204億円の経常赤字となった。自動車向け鋼材のほか、半導体不況でハードディスクや半導体の材料が伸び悩んだ。建設機械は東南アジアでの工事延期などで販売が減り、減益だった。

 新型コロナの損益への影響は、自動車向けの鋼材を中心に約25億円のマイナスとした。

 減損損失は499億円を計上した。このうち、高砂製作所(高砂市)で製造する船舶用部品は、国内の造船業界向けの需要が低迷。新たに参入を進める航空機のエンジンや着陸装置用の部品は、工場の立ち上がりが遅れたため受注の抑制を余儀なくされている。

 21年3月期の業績見通しは、新型コロナ感染拡大の影響を合理的に見積もることが困難として、開示を見送った。(大島光貴)