「松坂大輔は、やはり怪物だった」プロ野球解説者・鹿島忠氏が見たもの

東海ラジオ『ドラゴンズステーション』(月~金16:00~19:00)5月8日の放送で、プロ野球解説者の鹿島忠氏が、自身が目のあたりにした松坂大輔の怪物エピソードを話した。それは、鹿島氏が楽天コーチ時代の楽天対西武戦でのこと。4月下旬に岩手県盛岡市で行なわれた試合での出来事だった。

2006年4月21日、岩手県営球場。鹿島氏が「4月下旬の東北はまだまだ寒い」と言うように、昼間でも気温が10度まで上がらない日が多く、当日も野球の試合を行うにはかなり厳しい状況だった。さらにナイトゲームでの開催で、試合開始の頃の気温は6度。そこから時間の経過とともに、さらに下がっていくという悪条件だったということだ。

この試合の西武の先発は松坂大輔。予告先発の松坂に対して、楽天はデータを揃えて松坂攻略の準備を進めてきた。さらに、投手には悪条件の低い気温。鹿島氏は、絶対エースの松坂を打ち崩すことができるとしたら「今日しかないだろう」という気持ちで試合に臨んだ。それはチーム全体の思いでもあった。鹿島氏は「これだけ寒かったら、松坂もそんなに投げられないだろう」と思っていたということだが、試合が始まってみると「立ち上がりから(ちょっと力を込めたら)150キロ出ちゃうんだよ。『なんだ、こいつは!』と思ったね」と、当時の驚きを振り返った。

この日の試合で、西武先発の松坂は、7回、打者27人に対し96球、打たれたヒット5本、奪った三振11、自責点1という成績。対して楽天の先発投手は、2回表に味方のエラーなども絡み9失点。2回途中で降板している。鹿島氏は「野球って、暑い、寒い、関係ない?」と、松坂の怪物ぶりに脱帽の様子だった。

「あの寒さは、ちょっと経験できない」と話した鹿島氏は、のちにアメリカに渡った松坂が、ボストン・レッドソックスを選んだことについても触れ「ピッチャーは、チームを選ぶ段階で、温かいところに行きたがる。ところが、敢えてレッドソックスを選んだ。まわりが『あんな寒いところでは、けがしちゃうよ。そんなに春先には投げられない』と言っていたが『いやいや、あいつ投げてたし。普通に投げていたから大丈夫』」と、極寒での試合の経験から、松坂の活躍を確信していたことを“ツッコミ”とともに明かした。

鹿島氏の話は、番組の中の「記憶に残るあの1球」のコーナーで披露したもの。東海ラジオの野球解説者が、現役時代・コーチ時代を通して経験した、今でも鮮明に記憶に残っている試合や出来事を紹介している。ドラゴンズステーション東海ラジオのプロ野球解説者は、権藤博氏、鈴木孝政氏、鹿島忠氏、山本昌氏、山﨑武司氏、谷繁元信氏、大西崇之氏、井端弘和氏、森野将彦氏ほか。

ドラゴンズステーション

放送局:東海ラジオ

放送日時:毎週月曜~金曜 16時00分~19時00分

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