超細密「加飾」で世界へ

金型メーカーのIBUKI(河北)、中国自動車部品大手と提携

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IBUKIの加飾技術で表現した正六角形集合体

 金型メーカーの「IBUKI(イブキ)」(河北町、松本晋一(しんかず)社長)は11日、中国の大手自動車内装部品メーカー「JIFENG(ジェイファン)」(中国名・継峰)と自動車内装部品、金型の製造・販売に関する業務提携の覚書を締結した。IBUKIは、部品表面に超細密な模様を施す「加飾技術」が高く評価されている。金型本体の代金に加え、部品売上高の3%がIBUKIに支払われるという。

 IBUKIが同日明らかにした。金型は樹脂やプラスチック、金属を大量に加工する際に使用され、IBUKIは表面に切り子や木目のような細密な模様を付ける加飾技術が武器だ。一般的に金型で生産された部品は、塗装したりフィルムを貼ったり2次加工することで高級な質感を付加するが、IBUKIの金型は2次加工が必要なく、コスト削減も実現できるという。自動車ではスズキ「ジムニー」のメーターパネルや、ホンダの複数車種に採用されている。

 一方、IBUKIによると、ジェイファンはグループ全体で年商約3千億円、自動車ヘッドレストのシェアが世界一という大企業。日本をはじめ各国自動車メーカーの内装部品を手掛ける。年商約11億円のIBUKIは規模300倍の企業と共同で、ダッシュボードなど多様な内装部品の開発に取り組む。金型開発はIBUKIが単独で担当し、中国だけで50万台に加飾の内装部品を提供したいとしている。

 IBUKIの金型で生産した部品について、売上高の3%が技術使用料として支払われる点は「画期的」という。「従来は金型本体にしか値段が付かなかったが、技術力が評価された結果。国内で減少傾向の“金型屋”にとって明るいニュースで、こうした契約は例がない」と松本社長(49)は解説する。将来、合弁会社の設立を検討することも盛り込んだ。

 覚書の内容を詰める作業や同日の調印式は、全てインターネットを活用したオンラインで行った。新型コロナウイルスの感染拡大が主因だが、中国、東京、河北町の各会場が結ばれ、ジェイファンからは王義平会長が出席。所在地に関わらず重要な意思決定ができることを示した。東京で参加した松本社長は「世界中の車にわれわれの内装部品が搭載されることを願っている」と話した。

木材の丸みまで「再現」している