三菱重工業・泉沢社長 客船修繕事業で見解 集団感染 解決後に議論

 三菱重工業の泉沢清次社長は11日の決算発表会見で、長崎造船所香焼工場(長崎市香焼町)に停泊中のクルーズ船内で発生した新型コロナウイルス集団感染を受け、今後のクルーズ船修繕事業について「(船内集団感染が)全て解決してから、どうするかの議論になる」との見解を示した。
 ウェブ会議形式による会見の質疑で言及。「運航会社から要請があり、県や市に相談し専門家の指導も受けてきたが、結果として多くの感染者を出し、多くの皆さまにご心配かけたことをお詫び申し上げたい」と述べ、早期解決に努めるとした。
 同社は長崎港でクルーズ船修繕の拠点化構想を推進しており、今回が初の工事受注だった。泉沢社長は新型コロナの世界的流行を踏まえ、「そもそも今は修繕の依頼や受注があるような状況ではない」とした。
 また、同社は香焼工場の売却を含めた活用に向け、大島造船所(西海市)と交渉中。両社は3月中の合意を目指したが、設備の査定などで数カ月ずれ込む見通しになっている。
 泉沢社長は「検討そのものは順調に進んでいる」と強調。その上で「両社で幾つかの課題を詰めており、スケジュールが若干遅れている。コロナの影響で当初予定より時間がかかるだろう」と述べた。

 


© 株式会社長崎新聞社