2008年マーリンズの大記録 内野手4人が25本塁打以上

2008年9月12日、ホルヘ・カントゥは2試合連発となる25号ソロ本塁打を放った。この日までにマイク・ジェイコブスが32本塁打、ダン・アグラが30本塁打、ハンリー・ラミレスが29本塁打を放っており、マーリンズは史上初となる「内野のレギュラー4人全員が25本塁打以上」という快挙を達成。現在に至るまで、これを達成したチームは2008年のマーリンズだけである。

正二塁手のアグラが7月27日に25本塁打に到達し、正遊撃手のラミレスも7月31日、正一塁手のジェイコブスも8月10日に25本塁打をクリア。フレディ・ゴンザレス監督らはカントゥが25本塁打に到達すれば史上初の快挙となることを把握しており、カントゥ自身も記録達成のプレッシャーを感じていたという。

8月9日に20本塁打に到達したあと、翌日からの25試合で3本塁打とペースを落としたが、9月9日からの8試合で6本塁打を量産。9月12日のナショナルズ戦でシャイロン・マルティスから放った一発が快挙達成の本塁打となった。

この年、ラミレスは33本塁打、ジェイコブスとアグラは32本塁打を放ったが、カントゥは29本塁打でシーズンを終了し、惜しくも内野手4人が30本塁打以上とはならなかった。8月19日のジャイアンツ戦で会心の当たりを放ったものの、その打球は左翼フェンスから少し上に飛び出した車の広告に跳ね返されて二塁打となっており、カントゥはそれを今でも悔しく思っているという。

なお、この記録に迫るチームが現れていないわけではなく、昨年のアストロズは一塁ユリ・グリエルと二塁ホゼ・アルトゥーベが31本塁打、三塁アレックス・ブレグマンが41本塁打を放ったものの、遊撃カルロス・コレアは故障離脱の影響もあって21本塁打どまり。同じく昨年のツインズも一塁C・J・クロンが25本塁打、三塁ミゲル・サノーが34本塁打を放ったが、二塁ジョナサン・スコープは23本塁打、遊撃ホルヘ・ポランコは22本塁打に終わった。

現在オリオールズのベンチコーチを務めるゴンザレスは「当時はそれほど特別なことだとは思っていなかった。でも、あれ以外にまだ一度も達成されていないんだ」と誇らしげに語る。果たして、史上2度目の快挙を成し遂げるチーム、さらには2008年のマーリンズも達成できなかった「30本塁打以上の内野手カルテット」を誕生させるチームは現れるだろうか。

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