中高の部活動再始動 仲間たちと笑顔でプレー

約3週間ぶりのチーム練習に汗を流す野球部の生徒たち=長崎東中・高グラウンド

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために休校していた県内の学校の多くが再開した11日、中学や高校の運動部活動も再び動きだした。3月上旬以降、休止、再開、再休止と苦しい日々を送ってきた選手たち。仲間たちと一緒に笑顔で汗を流す一方、先行きが見えない状況に不安な表情も見せていた。
 長崎市の長崎東中・高は出席番号の奇数と偶数に分けて登校日を設定。部活動は中高が連携して、本来の約半分の人数で練習を再開した。高校の野球部は部員36人中16人が参加。一人一人がプレーできることへの感謝の思いなどを表明した後、ダッシュでグラウンドに飛び出し、軽めの練習で体を慣らしていた。
 体育主任を務める山口一守監督は休校期間中、保護者を通じて選手たちに毎日のようにメッセージを届けた。「メンタルを崩さず過ごしてほしいと思っていた。どこの部活も同じだと思うけれど、まずは3年生。どれだけ目線を合わせて話し、どういう目標を持って、どれだけ悔いなく終われるのかを考えたい」と話した。
 同市の小ケ倉中は通常通りに生徒が登校。約3週間ぶりに活気のある声が響いた。部活動は検温や練習前後の手洗い、アルコール消毒、換気などの感染拡大防止対策を徹底。ソフトテニス部は握手やハイタッチを控え、人との距離を取るなど細心の注意を払っていた。
 顧問の渡邉章裕教諭は「けがをしないように基礎体力を戻すメニューを組んだ。今できることをして自分を高めていってほしい」と教え子たちを気遣っていた。
 現時点で県や郡市町の中学総合体育大会の開催可否は未定。部活動も今後の状況次第でどうなるか分からない中、ソフトテニス部女子の光永桃主将は「みんなとコートで練習できるのはうれしい。狙ったところにボールを打てるようになりたい。中総体はやってほしい」とスポーツができる喜びを再確認している様子だった。

© 株式会社長崎新聞社