【独自】兵庫県井戸知事に聞く 兵庫県の出口戦略は

【藤岡キャスター】
私は兵庫県庁の知事応接室に来ています。きょうはこのような質問の流れでお話しをお伺いします。

Q、緊急事態宣言1ケ月 自粛要請の成果は?
Q、自粛解除 兵庫の出口戦略は?
Q、県立学校 学校再開は?
Q、兵庫の医療は? 支援基金とは?

【藤岡】
まず、この内容の前に先ほどの全国知事会のニュースの中で、井戸知事は出口戦略の話が先行していることに懸念を示しているということなのですが。

 

【知事】
5月7日以降、緊急事態宣言が延長されたその日から出口の議論が始まってしまっている。
我々が心配しなくてはならないのは、これ以上感染者を発生させないために、今まで外出抑制、休業依頼、通勤抑制を協力していただいわけですので、これが、連休の後、人との接触が増えるという事態を招いてしまうということになると、元の木阿弥になってしまう。この1週間が需要な1週間となる。
足元を固めながら議論を展開していかなくてはならないのではないかと強調しました。

 

【藤岡】
現在の感染状況について兵庫県のデータです。(5/11 24時時点)

・検査実施人数  9289人
・陽性者人数  694人(累積)
・入院中 148人(/重症20人/中等症以下128人)
・死亡 34人
・退院 512人

陽性者の数の推移です。ここ数日は10人以下になっています。

 

【知事】
5月3日に12件となったのですが、これは特別な事情があり、基本的には10人以下が4月末から続いています。1日毎でみるとバラツキがでるので、毎日一週間の平均をとって「移動平均」でみています。5月1日から5人以下が続いています。

 

【藤岡】
これまでの推移をみると、3月20日の3連休の動向が、4月の状況になっている?

 

【知事】
3月下旬の一週間は、送別会や学生のコンパなどがあり、人との接触が増えて、4月の始まりの高まりになったのではないかと思います。

 

【藤岡】
GWの期間を迎え、この間、全国で初めての休業指示を出すことになりました。パチンコ店の名前も公表することになったのですが、休業要請、自粛要請の成果についてどのように受け止められますか?

 

【知事】
4月15日から一部の業種について休業要請を出したのですが、緊急事態宣言の地域だということで、そこまでの対応することを表明することに伴って、県民のみなさんの受け止めが、外出禁止、事業の自粛につながったのではないかと思います。

(一定程度効果があったと?)それが、今の状況をもたらしてくれている、この1週間をみても、今日も0件、昨日1件、その前5件、その前8件、その前1件…という状況ですので、それは県民の皆さんが外出自粛、事業の開業抑制に協力していただいた成果だと思います。

GWを過ぎた後、どうして開放感があります。開放感にあふれている1週間をどう乗りきるかが大事だと思います。

この結果は21日以降に出てくる、21日以降の動向は今の我々の動向に関わってくる。1桁台が続くと緊急事態宣言からの卒業も見えてきます。

 

【藤岡】
自粛解除に向けて兵庫の出口戦略は?(先日、大阪が解除基準を示しましたが)

<大阪モデル自粛要請解除基準>
・感染経路不明者10人未満(直近1週間平均)
・PCR検査陽性率7%未満(直近1週間平均)
・重症病棟使用率60%未満
※3項目とも7日連続で達成すれば段階的に自粛解除

 

【知事】
(大阪モデルの基準はすでに満たしている?)感染経路不明の人数は4月13日から、陽性率は4月29日から、重症病棟使用率4月28日から満たしている。1週間どころか2週間ぐらい満たしてしまっているので、この基準を当てはめるのは、兵庫の実情にはあいません。

(大阪より厳しい基準に?)
結果として、大阪の3分の1ぐらいの数値を辿ってきているので、地域としての一体性、同じような傾向を示してきたので、大阪との関係を大事にしながら考えていく。基準としては兵庫にふさわしい基準を考えることに。

(陽性者の数、重症病棟の使用率あたりがポイントになってくる?)

患者の数に着目する、今後の爆発的な二次感染に医療が耐えられるかということで、病床の余裕度をみます。

(病棟のデータでは重傷者は20人、利用率28.2%。)

重症には、71ベッド確保しているので利用率は3割を切っています。

 

【藤岡】段階的に解除していくということだと思うのですが、数値で判断?総合的な判断も加わるのでしょうか?

 

【知事】
総合的な判断になります。数値にとらわれると自動的に解除になってしまうので、数字で表れないことも勘案しなくてはいけない。

 

【藤岡】大阪モデルとは違う形になってくる?

 

【知事】
大阪と対応しないといけないのは、規制の程度と規制の範囲です。県境を越えた移動がないようにお互いにバランスをとった整合性をとった協力依頼をしていきます。

 

【藤岡】
兵庫はエリアが広い、西播磨、但馬などは感染者が出ていない、エリア別、業種別で段階的に解除は?

 

【知事】
段階的という言葉は難しいのですが、最初に規制緩和するとすれば、どういうエリアからどういう業種、施設なのかということだと思います。
国の専門家会議が示すように、ライブハウス、接待を伴う飲食は密の空間をもたらしやすいし、発生源になっているので一番注意を要する施設だという指摘を受けています。一方で緊急事態宣言地域であっても、博物館、図書館は、3密さえ気をつければ開設しても許されるのではないかとランク付けされていますから、そういうアドバイスに従うことになると思います。

 

【藤岡】
いつぐらいに公表になるのでしょうか?

 

【知事】
独自の基準になるかはわかりませんが、14日に国の専門家会議が開かれるので、そこでの意見や方向性を見定めて、県として最終的な対応を決めていきます。

 

【藤岡】
県立学校の再開についてお伺いします。但馬、西播磨は感染者が出ていないということで、今日のニュースでもありましたように、豊岡市は小・中学校では週1回の登校日を設けました。県立学校については?

 

【知事】
専門家会議での方向性が一つのポイントになります。現在は5月31日まで休校となっています。
もし、学校について地域別に弾力化を検討できる余地が出てくるならば、但馬、西播磨、第3~第5学区は、登校日を週に1日または2日設けるということになるかもしれません。

一方で第1学区、第2学区については、登校日については慎重に検討していきます。これは大阪の出方も関連します。阪神間ですから、大阪と同一のエリアと評価できますので。

 

【藤岡】
9月入学の話も出ていますが、井戸知事は慎重な立場をとられています。

 

【知事】
コロナ感染対策と全く関連がない話です。授業日数は夏休みを短縮すれば十分クリアできるはずです。

 

【藤岡】
PCR検査は、ウォークスルー、ドライブスルーの導入を検討するなど全国でPCR検査体制拡充の動きが出ています。7日の県の対策会議では280件から400件に増やすという話が出ています。

 

【知事】
行政検査ですが、兵庫県と保健所所在地で現在は1日280件対応できます。これに、県の健康保健センターにさらに能力を強化して400人に増やそうとしています。

また病院は74あるので、病院を含めて200程度増やして、600程度に増やしていきたいというのが現在の拡充計画です。

問題は、検査体制が強化されないと、いくらドライブスルーとかで、検査試料を取りやすくしたからといって改善につながりません。

接触外来病院も50に増やし、医師会とも相談して検査センターを作ろうとなっていますので、まずは、検査体制を強化していくことを重点的に進めていきたいと考えます。

 

【藤岡】
ひょうご新型コロナウイルス対策支援基金について(兵庫県内の医療従事者を支える)伺います。

 

【知事】
神戸市は独自で基金を作られていますが、神戸市以外の市町と県で協力して基金を創設し、必要な支援をしていこうと呼びかけています。

(最後に)兵庫県民の皆さんへ3つの自粛にご協力をお願いします。

①外出の自粛 ②開業の自粛 ③通勤の自粛

県民の皆様、事業者の皆様、この3つの自粛に是非ご協力お願いします。

 

■2020年5月12日「情報スタジアム 4時!キャッチ」より

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