各球団が手放してしまった未来のスター選手たち

メジャーリーグの世界では、トレードなどで移籍した選手が新天地で飛躍を遂げ、スター選手へと成長するのは決して珍しいことではない。たとえば、ライン・サンドバーグはフィリーズで13試合に出場したあとカブスへトレードされ、殿堂入りの名二塁手へと成長した。メジャーリーグ公式サイトでは、メジャー昇格を果たせないまま他球団へ移籍し、スター選手へと成長した選手を各球団から1人ずつ選出している。

レッドソックスからはジェフ・バグウェルが選出。「アストロズ一筋」というイメージが強いバグウェルだが、地元レッドソックスに入団したあと1990年シーズン途中にベテラン救援右腕ラリー・アンダーセンとのトレードでアストロズへトレードされている。バグウェルは翌1991年に新人王となり、殿堂入りへのキャリアを歩み始めた。

マリナーズからはデービッド・オルティスが選出。オルティスが2002年オフにツインズを解雇され、レッドソックスに拾われたことは比較的よく知られているが、オルティスはツインズへ移籍する前、マリナーズに在籍していた。マリナーズのマイナーで強打を発揮していたオルティスだが、デーブ・ホリンズを獲得するトレードの後日指名選手としてツインズへ放出されている。

ドジャースからはロベルト・クレメンテが選出。1954年、19歳のときにドジャースと契約したクレメンテはAAA級で目立った活躍をできず、同年オフのルール5ドラフトでパイレーツへ移籍することになった。クレメンテはその後パイレーツで3000本のヒットを積み重ねただけでなく、慈善活動にも積極的に取り組み(1972年12月31日に事故死)、「ロベルト・クレメンテ賞」にその名を残すことになる。

なお、各球団から選出された選手は以下の通り(カッコ内は次点の選手)。

アメリカン・リーグ東部地区

オリオールズ
ジェイソン・ワース(ジョシュ・ヘイダー)

レッドソックス
ジェフ・バグウェル(ピー・ウィー・リース)

ヤンキース
フレッド・マグリフ(ウィリー・マギー)

レイズ
ボビー・アブレイユ(ジョシュ・ハミルトン)

ブルージェイズ
マイケル・ヤング(ノア・シンダーガード)

アメリカン・リーグ中部地区

ホワイトソックス
フェルナンド・タティスJr.(ジオ・ゴンザレス)

インディアンス
クリス・アーチャー(ペドロ・ゲレーロ)

タイガース
ジョン・スモルツ(カール・ハッベル)

ロイヤルズ
マーク・エリス(ウィル・マイヤーズ)

ツインズ
レジー・スミス(ジェイ・ベル)

アメリカン・リーグ西部地区

アストロズ
ヨハン・サンタナ(ベン・ゾブリスト)

エンゼルス
パトリック・コービン(マイク・クレビンジャー)

アスレチックス
ダレル・エバンス(ネルソン・クルーズ)

マリナーズ
デービッド・オルティス(デレク・ロウ、ジェイソン・バリテック)

レンジャーズ
エドウィン・エンカーナシオン(カイル・ヘンドリックス)

ナショナル・リーグ東部地区

ブレーブス
アダム・ウェインライト(エルビス・アンドルース)

マーリンズ
エイドリアン・ゴンザレス(ヨハン・サンタナ)

メッツ
ネルソン・クルーズ(スコット・カズミアー)

フィリーズ
カルロス・カラスコ(トビー・ハラー)

ナショナルズ
クリフ・リー、ブランドン・フィリップス、グレイディ・サイズモア(トニー・フィリップス)

ナショナル・リーグ中部地区

カブス
ジョシュ・ドナルドソン(グレイバー・トーレス)

レッズ
トレバー・ホフマン(ジョニー・マイズ)

ブリュワーズ
マイケル・ブラントリー(ジェイク・オドリッジ)

パイレーツ
ジェイ・ビューナー(レッド・フェイバー)

カージナルス
セシル・クーパー(デービッド・ペラルタ)

ナショナル・リーグ西部地区

ダイヤモンドバックス
カルロス・ゴンザレス(ダンズビー・スワンソン)

ロッキーズ
ショーン・フィギンス(ブラッド・オースマス)

ドジャース
ロベルト・クレメンテ(カルロス・サンタナ)

パドレス
コリー・クルーバー(トレイ・ターナー)

ジャイアンツ
ルイス・カスティーヨ(フランシスコ・リリアーノ)

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