龍馬のように…新会社は「亀山社中」 北口さん、2度目の起業 経営コンサルタントなどで「長崎を元気に」

亀山社中を起業し「龍馬のように格好良く、ワクワクすることを」と意気込む北口さん=長崎市弁天町

 幕末の志士、坂本龍馬を信奉する長崎市内の会社経営者、北口功幸(よしゆき)さん(54)が4月、夢だった新会社を設立した。その名もズバリ「亀山社中」-。24年前に起業し成長した制御システム会社は後進に委ね、これまでの経験や人脈を生かした経営コンサルタント事業などで「長崎を元気にしたい」と意気込む。
 龍馬の誕生日とされる11月15日は命日でもある。毎年この日と自分の誕生日には必ず高知城から桂浜まで走るほどのファンだ。
 きっかけは佐世保高専を卒業して社会人になったころに読んだ司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」だった。以来、固定概念にとらわれない男の生きざまや強い意志に憧れ続けた。機械・設備設計会社勤務などを経て、長崎市内にアパート1室を借りて独立開業。社名は、龍馬が長崎で結社した亀山社中にあやかり「亀山電機」とした。
 今でこそ年商約10億円、社員数は94人にまでなったが、2008年のリーマン・ショック時は売り上げが2割減る苦境を経験。自ら全国の客先を回る一方、経営計画書を毎年つくり、それを社内で共有・浸透させるため全社員に穴埋めテストを課すなどしてV字回復を果たした。
 ただ最近は売り上げや利益が足踏み状態で「社員とその家族がもっと幸せになるには船頭を変えた方がいい」と判断。両親の他界も重なり「残りの人生は好きなことを」と社長を譲って会長になり、2度目の起業に至った。
 今後はコンサル事業のほか、高専卒業生で会社定年後のシニア技術者らとエンジニアリング事業を始める方針。北口さんは「龍馬のように格好良く、ワクワクすることを起こし、人口減少で元気のない長崎を盛り上げることに貢献できれば」と話す。

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