総文祭ネットで開催に 県内参加者 思い複雑 「どんな形でも出場」「不本意」

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、生徒を集めず前例のないインターネットによる開催が決まった全国高校総合文化祭(総文祭)。中止は回避される一方、通常の発表、直接交流などはできない。12日、本県の生徒からは困惑しながらも安堵(あんど)の声が聞かれた。
 県高校文化連盟(林田誠一会長)によると、今年の総文祭は本県から18部門約320人が参加予定。このうち15部門は、昨年の県総文祭などで既に出場者が決定している。
 県立長崎北高学芸部演劇班は、昨年末の第61回九州高校演劇研究大会で最優秀賞に輝き、九州代表として初の総文祭出場を決めている。総文祭の演劇部門は動画配信での発表が想定される。座長の海見天武さん(17)=3年=は「生の舞台とネットでは差が大きい。多くの観衆の前で笑いを取ることができないのは不本意だけど九州代表として、出場できなかった学校の分までベストを尽くしたい」と複雑な心境を語った。
 日本音楽部門に出場する県立佐世保南高邦楽部の部長、安永優陽さん(17)=3年=は「他校の生徒と直接交流できず演奏もじかに見られないのは残念。でも、どんな形であれ全国大会に出場できるのだから練習を頑張る」と前を向いた。
 一方、本県では囲碁、将棋、小倉百人一首かるたの3部門の予選会が未実施。県高文連事務局は「総文祭の実施内容を踏まえ、対応を考えたい」とする。
 林田会長は「通常開催できず残念だが、発表の場が失われなかったのはよかった。できる限り参加者をサポートしたい」と話した。

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