佐世保の小中学校 今後10年で再編進める方針

 佐世保市教委は、12日の市議会文教厚生委員会協議会で、市立小中学校の学校再編に関する基本方針を明らかにした。少子化や施設老朽化などを背景に、統廃合や通学区域の見直しが必要な学校を地区別にグループ化。地域住民らと協議しながら今後10年で再編を進める方針。同市で初の本格的な再編計画となる。
 市内に小学校は44校、中学校が24校、義務教育学校2校。基本方針で学校数をどの程度に集約するかは示していない。6月以降、学校や地域への説明を順次開始。来年度末までに全グループで協議を終える予定。
 市教委によると、昨年度の市立小中学校の児童生徒数は約1万9800人。初めて2万人を下回った。少子化の進展に伴い、学級数が11以下の「小規模校」はここ30年で13校増加している。学校施設の老朽化も深刻化。補修工事や建て替えが必要な学校が全体の7割を占める。
 市教委は、学識経験者や学校関係者らでつくる市通学区域審議会の答申に基づき▽学校規模▽施設の建築年数▽通学区域に関する課題-の三つの視点から、再編が必要な学校を順位付け。優先度が高い学校とその近隣の学校で構成する17のグループにまとめた。
 優先度が最も高いとされたのは「潮見小、白南風小、木風小、福石小、天神小、港小、山澄中、福石中、崎辺中」のグループ。いくつかの学校への統合も含め地域と一緒に再編の在り方を探る。「船越小、赤崎小、愛宕中」などのグループは小学校の統廃合や義務教育学校化などを検討。相浦小と相浦西小では、それぞれの分校を廃止する案も示された。
 西本眞也教育長は協議会で「丁寧な合意形成を図るためには丁寧な説明が必要。まずは問題提起をさせてもらい、学校の在り方を協議させてほしい」とした。

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