自分の音楽届け続ける 佐世保のピアニスト・作曲家 重松壮一郎さん 自宅でのライブ配信に挑戦

「自分にしかできない音楽をぶれずに続けたい」と話す重松さん(左)とつむぎさん=佐世保市内

 プロのピアニストとして全国各地を飛び回ってきたが、イベント自粛のあおりを受け、多くの公演が中止になった。「自分にしかできない音楽をぶれずに届けたい」と自宅でのライブの配信に取り組む。
 30歳で会社員生活に終止符を打ち、ピアニストの道へ。2012年に家族で佐世保市に移住した後は、週末に全国のイベントや店舗に出向いて演奏してきた。
 各公演の観客が減り始めたのは3月ごろ。1日に何度もキャンセルの連絡が入るようになり、中止になった公演は20を超えた。「人が集まることで成り立つ仕事。世間の目も厳しい」。受け止めるしかなかった。
 オンラインでも音楽を聴きたい-。外出自粛でストレスを感じていた友人に背中を押され、オリジナル曲のライブ配信を始めた。長女のつむぎさん(9)も伸びやかな歌声や朗読でピアノの音色に彩りを添える。
 本格的な活動再開のめどは立たない。だが配信に挑戦し、さまざまな事情でライブに足を運べない人や、家庭で音楽を聴くことで安らげる人の声に気付けた。「これまでやってきたことの延長線上に今がある」。そう信じ、明るい音楽を奏で続ける。

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