鉄鋼大手3社/20年3月期決算/全社最終赤字、需要低迷・原材料高騰で

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鉄鋼大手3社(日本製鉄、JFEホールディングス〈HD〉、神戸製鋼所)の2020年3月期決算は、全社が連結ベースで最終赤字となった。米中貿易摩擦などにより世界経済が減速。主力の鉄鋼事業で自動車メーカーをはじめとする需要家のニーズが縮小し、販売価格も下落した。原材料の高騰も加わり、採算確保が困難になった。21年3月期は新型コロナウイルスの影響が色濃く出ることが予想される。3社とも業績予想は未定とした。

日本製鉄の連結最終損益は4315億1300万円の赤字(19年3月期2511億6900万円の黒字)だった。製鉄事業でコストの改善に取り組んだが、販売価格の下落が大きく、生産設備など固定資産に対する減損損失計上も重荷になった。新型コロナの影響も含め今後も需要低迷が続くことを見込み、一部高炉を一時休止するほか、コークス炉の生産調整にも着手している。

鉄鋼事業での資材単価や鉄鉱石価格の上昇、棚卸し資産評価差の悪化などが影響したJFEHDは、連結最終損益が1977億4400万円の赤字(同1635億0900万円の黒字)となった。3月には新型コロナによる顧客企業の稼働停止も響いた。

神戸製鋼所の連結最終損益は680億0800万円の赤字(同359億4000万円の黒字)。鉄鋼部門で海外の自動車向けを中心に鋼材の販売量が減少。チタン製品は航空機分野をターゲットにした拡販により販売量は増加したものの、収益性が低下。多額の引当金を計上した。