親和銀行と十八銀行、赤字転落 統合関連費計上し一時的 2020年3月期

複数の会議室を映像で結んだ親和銀行と十八銀行の合同決算会見=長崎市銅座町、十八銀本店

 親和銀行(佐世保市)と十八銀行(長崎市)は13日、2020年3月期決算を合同で発表した。純損益は親和銀が前期比79億円減の38億円の赤字、十八銀が148億円減の106億円の赤字となった。両行とも11期ぶりの赤字。ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)への統合関連費用の計上など一時的な特殊要因を除けば、黒字を確保した。

 両行は10月に合併し「十八親和銀行」が誕生予定。21年3月期の新銀行の業績予想は純利益2億円を見込む。ただ新型コロナウイルス感染症の影響は、収束時期が不透明として反映していないという。
 十八銀の森拓二郎頭取は「実力ベースでは黒字を確保し、統合に向けさまざまな課題を抱える中で、まずまずの出来」と分析。親和銀の吉澤俊介頭取も「シナジー効果を出せた。手応えはある」と強調した。
 両行とも貸出金の利回りが低下し、投資信託や保険の販売も減少。景気後退局面に備えて貸倒引当金の見積もり方法を保守的に見直すなどして信用コストが膨らんだ。店舗統合に伴う減損損失など統合関連費用もかさんだ。
 こうした理由で、親和銀は、売上高に当たる経常収益が24億円減の296億円、本業のもうけを示すコア業務純益が22億円減の45億円にとどまり、2期連続の減収減益となった。十八銀は、経常収益が61億円減の342億円で2期ぶりの減収。コア業務純益が17億円減の50億円で、最終的には4期連続の減益となった。
 合同会見は長崎市銅座町の十八銀本店であり、感染防止のため複数の会議室を映像で結び実施した。

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